「呪い……俺たちは何もしてないのにな」
相手の体になんらかの不調などの効果を発現させる魔力を流し込む、マイナスの神聖力みたいなものが呪いである。
呪いも種類があるがリュードは呪いなんてものに手を出す気はなかったのであまり深くも知らない。
相手の体を縮ませるなんて呪いがあるかも知らないが、ないと言えるほどの知識はない。
どんなことでも起こりうるのだから、ないなんて鼻で笑える世界じゃない。
こうした呪いの力は神聖力とすこぶる相性が悪い。
呪いの効果は神聖力を体に宿す人にはほとんど効果がないのである。
だから不思議な現象から二人が無事なことを考えると、呪いかもしれないと予想するのも自然な流れである。
「しかし誰が呪いなんて……この町には来たばかりだし」
「それはまだ分からないにゃ。でもこの町の異様さをみるにもしかしたら私たちを狙ったんじゃなくて、町全体が呪われているかもしれないにゃ」
「町全体が……その方がスジは通るけどそんなこと出来るのか?」
「もし本当にそうだとしたらかなり計画的な犯行にゃ」
初めて来る町でいきなり呪われる理由なんてない。
誰かがリュードたちに呪いをかけたのではなく、町にかかっている呪いの中にむざむざ足を突っ込んでしまったと考えるほうが自然である。
呪いがかかっているなんて見て分からなかったのでしょうがないが、苛立ちにも似た複雑な思いが湧き起こる。
「呪いを解く方法はないのか?」
とりあえず呪いがかかっているということを前提に話を進めてみる。
「あるにはあるにゃ」
まず呪いを解く方法を考えてみる。
最初に思いつくのは術者を止めることである。
呪いをかけている奴を倒すなりして止めれば呪いは解ける。
シンプルな答えだ。
「ただこれじゃ多分厳しいと思うにゃ。最終的にはそうする必要もあるかもだけどにゃ」
「どういうことだ?」
「町全体に呪いがかかっているとしたら、そんなもの人がずっと呪いをかけ続けてなんていられないにゃ。おそらく呪いは設置型にゃ」
「設置型、ねぇ……」
リュードは呪いに関して知識がないが、何となく運用としては魔法と似たものだということは知っているぐらい。
ヴェルデガーも呪いには興味なかったのか、関連書籍もほとんどなかったのでしょうがない。
それに基本的に人を害する手段である呪いはメジャーな技術ではなく、伝承者が少なく謎の多い技術な面がある。
けれども呪いも直接かけるものや事前に用意して相手を呪う呪いの設置なんてものがあることは知っていた。
町全体が呪われているとしたら複数人の術者がいるか、呪いを設置しているかである。
複数人の術者がいることは現実的に考えにくいので、どこかに呪いが設置してあるのだと考えた。
「なら狙うのは術者よりも設置してある呪いにゃ。設置された呪いを直接破壊すれば呪いは解けるはずにゃ」
設置型の呪いでは明確に相手は選べないが、その代わりに術者の技術が足りなくても材料があれば広い範囲を呪うことができる。
例えば魔石で魔力を供給して発動させた呪いを維持するなんてこともできる。
町のどこかに設置された呪いや魔力の供給源があるはず。
これを破壊すればいいのである。
「だから術者を探すことも大事だけど、この場合は先に呪いの原因となっている魔法陣を探す方がいいと思うにゃ」
これがどんな呪いなのか全容は掴めていないけれど、呪いを解いてしまえばどの道関係はなくなる。
「ただどうするの?」
呪いの魔法陣がどこにあるのか調べる必要がある。
しかし小さいままでは制限が大きくて出来ることが限られてしまう。
加えてリュードたちでは呪いに関して無知なので、どう探したらいいのかの予想すらつかない。
「目的が分からないけど良くなさそうな雰囲気がするにゃ。早めに行動する必要があるにゃ」
「例えばこのまま町を離れたら呪いはどうなるんだ?」
呪いが解けないなら呪いの範囲外に出てしまうのはどうだろうかとリュードは考える。
「……分からないにゃ。そのまま続くのか、解けるのかは術者がどんな呪いをかけたか次第にゃ」
解ければいいけれど解けない可能性もある。
呪いの範囲外に出てしまうとどんな影響があるのかはニャロも分からないのだ。
もしかしたら呪いが固定化されてしまうこともあり得るかもしれない。
「そうか……俺たちじゃ少し移動するだけで日が暮れちまう。ニャロとコユキが頼りだ」
無理に町から離れるのも危険かもしれない。
町から離れるのは最終手段にしよう。
「パパ、任せる!」
コユキが鼻息荒くやる気を見せる。
言葉の理解度に対してまだ話す方は上手くないが、意思の疎通は取れている。
「……コユキ、ニャロ、隠れろ!」
ドタドタと騒がしい足音が聞こえてきて緊張が走る。
「えっ、えっ!?」
「ムギュ!」
慌てるニャロをよそにコユキの行動は早かった。
リュードたちを引っ掴んでコユキはサッとベッドの下に入って隠れる。
相手の体になんらかの不調などの効果を発現させる魔力を流し込む、マイナスの神聖力みたいなものが呪いである。
呪いも種類があるがリュードは呪いなんてものに手を出す気はなかったのであまり深くも知らない。
相手の体を縮ませるなんて呪いがあるかも知らないが、ないと言えるほどの知識はない。
どんなことでも起こりうるのだから、ないなんて鼻で笑える世界じゃない。
こうした呪いの力は神聖力とすこぶる相性が悪い。
呪いの効果は神聖力を体に宿す人にはほとんど効果がないのである。
だから不思議な現象から二人が無事なことを考えると、呪いかもしれないと予想するのも自然な流れである。
「しかし誰が呪いなんて……この町には来たばかりだし」
「それはまだ分からないにゃ。でもこの町の異様さをみるにもしかしたら私たちを狙ったんじゃなくて、町全体が呪われているかもしれないにゃ」
「町全体が……その方がスジは通るけどそんなこと出来るのか?」
「もし本当にそうだとしたらかなり計画的な犯行にゃ」
初めて来る町でいきなり呪われる理由なんてない。
誰かがリュードたちに呪いをかけたのではなく、町にかかっている呪いの中にむざむざ足を突っ込んでしまったと考えるほうが自然である。
呪いがかかっているなんて見て分からなかったのでしょうがないが、苛立ちにも似た複雑な思いが湧き起こる。
「呪いを解く方法はないのか?」
とりあえず呪いがかかっているということを前提に話を進めてみる。
「あるにはあるにゃ」
まず呪いを解く方法を考えてみる。
最初に思いつくのは術者を止めることである。
呪いをかけている奴を倒すなりして止めれば呪いは解ける。
シンプルな答えだ。
「ただこれじゃ多分厳しいと思うにゃ。最終的にはそうする必要もあるかもだけどにゃ」
「どういうことだ?」
「町全体に呪いがかかっているとしたら、そんなもの人がずっと呪いをかけ続けてなんていられないにゃ。おそらく呪いは設置型にゃ」
「設置型、ねぇ……」
リュードは呪いに関して知識がないが、何となく運用としては魔法と似たものだということは知っているぐらい。
ヴェルデガーも呪いには興味なかったのか、関連書籍もほとんどなかったのでしょうがない。
それに基本的に人を害する手段である呪いはメジャーな技術ではなく、伝承者が少なく謎の多い技術な面がある。
けれども呪いも直接かけるものや事前に用意して相手を呪う呪いの設置なんてものがあることは知っていた。
町全体が呪われているとしたら複数人の術者がいるか、呪いを設置しているかである。
複数人の術者がいることは現実的に考えにくいので、どこかに呪いが設置してあるのだと考えた。
「なら狙うのは術者よりも設置してある呪いにゃ。設置された呪いを直接破壊すれば呪いは解けるはずにゃ」
設置型の呪いでは明確に相手は選べないが、その代わりに術者の技術が足りなくても材料があれば広い範囲を呪うことができる。
例えば魔石で魔力を供給して発動させた呪いを維持するなんてこともできる。
町のどこかに設置された呪いや魔力の供給源があるはず。
これを破壊すればいいのである。
「だから術者を探すことも大事だけど、この場合は先に呪いの原因となっている魔法陣を探す方がいいと思うにゃ」
これがどんな呪いなのか全容は掴めていないけれど、呪いを解いてしまえばどの道関係はなくなる。
「ただどうするの?」
呪いの魔法陣がどこにあるのか調べる必要がある。
しかし小さいままでは制限が大きくて出来ることが限られてしまう。
加えてリュードたちでは呪いに関して無知なので、どう探したらいいのかの予想すらつかない。
「目的が分からないけど良くなさそうな雰囲気がするにゃ。早めに行動する必要があるにゃ」
「例えばこのまま町を離れたら呪いはどうなるんだ?」
呪いが解けないなら呪いの範囲外に出てしまうのはどうだろうかとリュードは考える。
「……分からないにゃ。そのまま続くのか、解けるのかは術者がどんな呪いをかけたか次第にゃ」
解ければいいけれど解けない可能性もある。
呪いの範囲外に出てしまうとどんな影響があるのかはニャロも分からないのだ。
もしかしたら呪いが固定化されてしまうこともあり得るかもしれない。
「そうか……俺たちじゃ少し移動するだけで日が暮れちまう。ニャロとコユキが頼りだ」
無理に町から離れるのも危険かもしれない。
町から離れるのは最終手段にしよう。
「パパ、任せる!」
コユキが鼻息荒くやる気を見せる。
言葉の理解度に対してまだ話す方は上手くないが、意思の疎通は取れている。
「……コユキ、ニャロ、隠れろ!」
ドタドタと騒がしい足音が聞こえてきて緊張が走る。
「えっ、えっ!?」
「ムギュ!」
慌てるニャロをよそにコユキの行動は早かった。
リュードたちを引っ掴んでコユキはサッとベッドの下に入って隠れる。


