魔法という存在は不思議なものだ。
それは魔力によるもので、様々なところに色々な影響を及ぼしている。
科学的なもので証明できないことや説明の難しいことが、たくさんこの世界には存在している。
竜人族なんてのも大概不思議なものだけど、どうしてそうなったのか分からない場所が世界にはいくつかあるのだ。
「海底都市アトラディス、重たい土地グラド、巨大な魔物の楽園クルーオフジャイ……」
有名ところだけでもいくつもあり、あまり知られていないところを含めるともっと色々あるのだ。
その環境がどう発生し、何が原因なのか誰にもわかっていない。
故にどんな環境、どんな場所があったとしてもおかしくない。
リュードは火の神様ファフラのお願いのことを考えていた。
神物の影響で環境的な変化があるなんて話があったけれど、よくよく考えるとおかしな場所も多いこの世界で、気温が上昇したぐらいではおかしいとも言い切れない。
それでもそうした火や熱さに関わった特殊な環境に目星をつけて、調べてみようとしていた。
特殊な環境であるところは、意外と観光スポットや良い魔物の狩り場であることも多い。
冒険者ギルドや世界を飛び回る聖職者であるニャロたちに聞いてみたりしながら情報収集もしていた。
リュードたちはダリルとテレサの結婚を見届け、コユキの神聖力授業のためにケーフィランドに留まっていたのだけど、修行も一区切りを終えて旅を再開することになった。
ケフィズサンのみんなはブレスをグルーウィンに送り届けて解散した。
きっとブレスが結婚する時にはまた集まることだろう。
教えてもらった場所の中にはいくつかめぼしい場所もある。
その中に闇の訪れぬ森ヒュルヒルと呼ばれている場所があってとりあえずそこに向かうことにした。
そこに決めたのには理由もあった。
「にゃんにゃんにゃーん」
「にゃんにゃんにゃーん!」
ケーフィランドを出発したリュードたちには一人同行者がいた。
獣人族の聖者ニャロである。
ニャロは本来、ケーフィランドからは結構離れた地で活動していた。
けれど聖者としてたまたまケーフィランドに近いところまで来る用事があった。
その時に攻略不可ダンジョン攻略のために招集がかけられたのだ。
神物奪還の仕事も終えたことだしニャロも自分が担当している場所に帰る必要があるのだけど、コユキの指導のために残ってくれていた。
いつもなら他の聖職者と一緒に移動を繰り返して戻るのが普通なのだけど、だいぶ長いこと空けてしまったしすぐに帰りたい。
そこでリュードたちに白羽の矢が立ったのである。
ニャロを送り届けるお仕事をお願いされたので二つ返事で引き受けることにした。
そのニャロを送り届ける国の先にヒュルヒルがあったのだ。
「にゃん!」
「にゃん!」
「にゃにゃん!」
「にゃにゃん!」
実際の冒険において神聖力の使い方が上手くいくとは限らない。
ママはダメでも、先生や友達としてニャロはコユキに気に入られていた。
ニャロもまたコユキのことを気に入っていて、送り届ける道中で実戦的な神聖力の使い方を指導するつもりでもあった。
ニャロが歌うとコユキもマネをしている。
ラストはうちの子の話し方に変なクセが! とハラハラしているが、にゃを付けて話してても可愛いからいいだろう。
もっと大きくなって分別ついたらどうするかはコユキが決めることだ。
それにしても旅のケモ度が一気に高くなったとラストは思う。
猫人族のニャロと白い狐のようなコユキが加わり、むしろぱっと見で特徴のないラストが浮いてしまっているぐらい。
全然リュードとしてケモケモしてて大歓迎。
ミミや尻尾が多くて良い旅である。
「ジー……」
「はっ! ルフォンも可愛いぞ?」
他ケモを見ることに対してルフォンは敏感だ。
コユキはまだギリギリセーフだけど、ニャロを見ていると嫉妬混じりの視線が突き刺さる。
あえて尻尾を前に回して来て、あるよとアピールする。
「リューちゃんならいつでも触っていいからね」
ルフォンにはルフォンの良さがあり、コユキにはコユキの良さがある。
そんなに張り合わなくてもいいのにと思うが、頬を赤らめるルフォンも可愛い。
ただし人前でルフォンの尻尾をモフモフするなんてハレンチなことできません。
でも頭は撫でる。
「えへへ……」
頭を撫でると自然とケモミミも撫でることになる。
ルフォンのミミは分厚くて弾力がある感じで気持ちがいい。
リュードが撫でるとへにゃっとミミを畳むけど、普段はしっかりとしていて音の聞き分けのために意外と忙しなく動いていたりする。
髪とミミの毛はちょっと感触が違う。
なので頭を撫でると二つの感触を楽しめる。
「にゃ!」
リュードがルフォンの頭を撫でているのを見て、コユキが慌ててリュードに寄ってくる。
私も撫でろと頭を差し出す。
「はいはい」
リュードは笑ってコユキの頭も撫でてやる。
コユキは髪とミミの毛がほぼ同質でフワフワとした感触。
ミミもルフォンよりも薄めで柔らかくて、ミミ元を撫でてやると気持ちよさそうに笑顔を浮かべている。
「私もにゃ〜」
「それはダメ」
「きびしーにゃー」
「そんなこと言ってるとコユキに嫌われるよ」
「あっ、ラストズルい!」
「いいじゃん、もう撫でられたんだから〜」
「メッ!」
「わ、分かったにゃ」
ニャロのミミがどんな手触りなのか気にならないといえばウソになる。
ニャロもそう言ってるんだしと思わなくもないが、気軽に女性の頭に触れてはいけないと我慢する。
ラストはサッとルフォンを撫でるリュードの手を取ると自分の頭に乗せた。
ミミはないがラストの髪もサラサラとして撫でていてずっと触っていたくなるようだ。
それは魔力によるもので、様々なところに色々な影響を及ぼしている。
科学的なもので証明できないことや説明の難しいことが、たくさんこの世界には存在している。
竜人族なんてのも大概不思議なものだけど、どうしてそうなったのか分からない場所が世界にはいくつかあるのだ。
「海底都市アトラディス、重たい土地グラド、巨大な魔物の楽園クルーオフジャイ……」
有名ところだけでもいくつもあり、あまり知られていないところを含めるともっと色々あるのだ。
その環境がどう発生し、何が原因なのか誰にもわかっていない。
故にどんな環境、どんな場所があったとしてもおかしくない。
リュードは火の神様ファフラのお願いのことを考えていた。
神物の影響で環境的な変化があるなんて話があったけれど、よくよく考えるとおかしな場所も多いこの世界で、気温が上昇したぐらいではおかしいとも言い切れない。
それでもそうした火や熱さに関わった特殊な環境に目星をつけて、調べてみようとしていた。
特殊な環境であるところは、意外と観光スポットや良い魔物の狩り場であることも多い。
冒険者ギルドや世界を飛び回る聖職者であるニャロたちに聞いてみたりしながら情報収集もしていた。
リュードたちはダリルとテレサの結婚を見届け、コユキの神聖力授業のためにケーフィランドに留まっていたのだけど、修行も一区切りを終えて旅を再開することになった。
ケフィズサンのみんなはブレスをグルーウィンに送り届けて解散した。
きっとブレスが結婚する時にはまた集まることだろう。
教えてもらった場所の中にはいくつかめぼしい場所もある。
その中に闇の訪れぬ森ヒュルヒルと呼ばれている場所があってとりあえずそこに向かうことにした。
そこに決めたのには理由もあった。
「にゃんにゃんにゃーん」
「にゃんにゃんにゃーん!」
ケーフィランドを出発したリュードたちには一人同行者がいた。
獣人族の聖者ニャロである。
ニャロは本来、ケーフィランドからは結構離れた地で活動していた。
けれど聖者としてたまたまケーフィランドに近いところまで来る用事があった。
その時に攻略不可ダンジョン攻略のために招集がかけられたのだ。
神物奪還の仕事も終えたことだしニャロも自分が担当している場所に帰る必要があるのだけど、コユキの指導のために残ってくれていた。
いつもなら他の聖職者と一緒に移動を繰り返して戻るのが普通なのだけど、だいぶ長いこと空けてしまったしすぐに帰りたい。
そこでリュードたちに白羽の矢が立ったのである。
ニャロを送り届けるお仕事をお願いされたので二つ返事で引き受けることにした。
そのニャロを送り届ける国の先にヒュルヒルがあったのだ。
「にゃん!」
「にゃん!」
「にゃにゃん!」
「にゃにゃん!」
実際の冒険において神聖力の使い方が上手くいくとは限らない。
ママはダメでも、先生や友達としてニャロはコユキに気に入られていた。
ニャロもまたコユキのことを気に入っていて、送り届ける道中で実戦的な神聖力の使い方を指導するつもりでもあった。
ニャロが歌うとコユキもマネをしている。
ラストはうちの子の話し方に変なクセが! とハラハラしているが、にゃを付けて話してても可愛いからいいだろう。
もっと大きくなって分別ついたらどうするかはコユキが決めることだ。
それにしても旅のケモ度が一気に高くなったとラストは思う。
猫人族のニャロと白い狐のようなコユキが加わり、むしろぱっと見で特徴のないラストが浮いてしまっているぐらい。
全然リュードとしてケモケモしてて大歓迎。
ミミや尻尾が多くて良い旅である。
「ジー……」
「はっ! ルフォンも可愛いぞ?」
他ケモを見ることに対してルフォンは敏感だ。
コユキはまだギリギリセーフだけど、ニャロを見ていると嫉妬混じりの視線が突き刺さる。
あえて尻尾を前に回して来て、あるよとアピールする。
「リューちゃんならいつでも触っていいからね」
ルフォンにはルフォンの良さがあり、コユキにはコユキの良さがある。
そんなに張り合わなくてもいいのにと思うが、頬を赤らめるルフォンも可愛い。
ただし人前でルフォンの尻尾をモフモフするなんてハレンチなことできません。
でも頭は撫でる。
「えへへ……」
頭を撫でると自然とケモミミも撫でることになる。
ルフォンのミミは分厚くて弾力がある感じで気持ちがいい。
リュードが撫でるとへにゃっとミミを畳むけど、普段はしっかりとしていて音の聞き分けのために意外と忙しなく動いていたりする。
髪とミミの毛はちょっと感触が違う。
なので頭を撫でると二つの感触を楽しめる。
「にゃ!」
リュードがルフォンの頭を撫でているのを見て、コユキが慌ててリュードに寄ってくる。
私も撫でろと頭を差し出す。
「はいはい」
リュードは笑ってコユキの頭も撫でてやる。
コユキは髪とミミの毛がほぼ同質でフワフワとした感触。
ミミもルフォンよりも薄めで柔らかくて、ミミ元を撫でてやると気持ちよさそうに笑顔を浮かべている。
「私もにゃ〜」
「それはダメ」
「きびしーにゃー」
「そんなこと言ってるとコユキに嫌われるよ」
「あっ、ラストズルい!」
「いいじゃん、もう撫でられたんだから〜」
「メッ!」
「わ、分かったにゃ」
ニャロのミミがどんな手触りなのか気にならないといえばウソになる。
ニャロもそう言ってるんだしと思わなくもないが、気軽に女性の頭に触れてはいけないと我慢する。
ラストはサッとルフォンを撫でるリュードの手を取ると自分の頭に乗せた。
ミミはないがラストの髪もサラサラとして撫でていてずっと触っていたくなるようだ。


