「攻略隊か……」
グルーウィンに入って、ダンジョンについての情報収集もしながら一行はさらに北上して行く。
近づくにつれ極寒のダンジョンについての話は増えるが、情報の中身としてはそれほど増えてこない。
極寒のダンジョンはグルーウィンで管理していて、長いこと攻略がなされていなかった。
ダンジョンブレイク対策に年に一度ほど討伐隊を組み、極寒のダンジョンの浅いところで魔物を倒しているようである。
攻略不可なので分かっていたが、浅いところの情報しかないのである。
ただ討伐隊が派遣されるのが近いということは耳にした。
人気のダンジョンともなれば、ギルドや国で攻略する人が殺到しすぎないようにと管理していることもある。
また逆に高難度のダンジョンでは帰ってこない人も多いため、そうした人たちのことが分かる様に入場を管理していることもある。
極寒のダンジョンの場合は後者だ。
攻略不可に終わっていることから分かる通り、極寒のダンジョンに挑んで帰ってこなかった人は多い。
そのためにグルーウィンから委託されて、冒険者ギルドが極寒のダンジョンの入場を管理していた。
といっても申請すれば許可は出る。
よほどのことがない限りはダンジョンの攻略など止めるなんて出来ないからだ。
名前ぐらい教えて行ってくれという話であるだけ。
遺族を積極的に探すことはしなくても遺族から聞かれた時に名前が分かっていると、ダンジョンで何かが起きた可能性は伝えられるからだ。
「もうダンジョンのことを考えるぐらいになったな。そろそろしっかりと準備を進めておこう」
ダンジョンに近づいてくると必要なのは準備である。
事前の情報でも分かっていたが、実際に聞いて確かめた情報を元にしてダンジョンへの備えをしておく。
極寒のダンジョンは広いフィールド型のダンジョンである。
端がどこかも分からないぐらいに広く、名前の通りに寒さが厳しい。
魔道具だけじゃなく、いざという時の燃料など温かさを維持できる物や攻略が長期化する可能性が高いので、十分すぎるぐらいの食料が必要である。
寒い地域なので食料品は高いが買いためておく必要もある。
道中迷惑にならない様に計画立てて食料も買いだめを行っておく。
「マジックボックスの袋ですか」
「ああ、かなり値は張ったけれど便利だよ」
流石にプラチナランクになるとマジックボックスのかけられた袋も持っていて、袋に詰め込んで可能な限り食料を溜め込んでいた。
ポーションなどの薬も補充して、万全の備えでダンジョン前にある最後の町にたどり着いた。
これより先は人里のない辺境の地になる。
しかしそうでありながらそれなりに賑わっている町であった。
ダンジョンのおかげもあるが、町より先にはよく魔物が出るのでそうした需要があって賑わっているのである。
端は端でその様な町を維持できる理由があるものだ。
「まずは攻略の登録だね」
町にはそこそこ大きめの冒険者ギルドがあり、極寒のダンジョンに挑む旨を伝える。
全員分の名前を記入し、簡単にダンジョンの危険性とグルーウィンとギルドがかけている報償金の説明を受けた。
極寒のダンジョンを攻略してもらうためには、やはり直接的な報酬も必要である。
そのためにグルーウィンは、極寒のダンジョンの攻略者のために報償金を毎年積み立てている。
今では攻略に成功すればリュードたちの一人頭で割ったとしても、引退して生きていけるだけのお金が手に入るのだ。
さらにグルーウィンでは望むなら国の要職に就くことまでできる。
攻略不可ダンジョンを攻略した者の名声は当然に得られるので、そうした者を国に迎え入れたい意図がある。
どの道グルーウィンの中で優遇されることになるのは間違いない。
「攻略に向かうならもう少し待った方がいいですよ」
「どうしてですか？」
早速ダンジョンへ、と思ったのだけど、ギルドから待った方がいいと言われた。
先日耳にしたダンジョンブレイクを防ぐための討伐隊が近々集まって行くことになるそうで、同行していけば道中も楽だし浅いところは討伐隊の方で魔物を倒してくれるというのだ。
「なるほど……それなら攻略隊を待った方がいいかもしれないね」
ギルド側からの提案に断る理由も見つからない。
反対意見もなく討伐隊を待って一緒にダンジョンに向かうことにした。
ギルド側も討伐隊にプラチナランクの冒険者が同行してくれればリスクが減るのでウィンウィンである。
ただ討伐隊も集まる時間があって、すぐにとはいかないので待つことになる。
「攻略隊が集まって出発するまでは自由時間としよう」
リュードたちは宿を取ってのんびりと討伐隊が集まるのを待った。
よく町中を観察すると冒険者がちょっと増えた様な気がしないでもないな、とリュードは思っていた。
「お会いできて光栄です。よろしくお願いいたします」
「ああ、よろしく頼むよ」
たまたま部屋を出たところでウィドウが一人の男と握手をしていた。
「今のは誰ですか？」
「挨拶に来た冒険者だ。攻略隊に参加するらしい」
リュードのところには来ないがウィドウのところには討伐隊に参加する冒険者が挨拶に来たりしていた。
「リュードォ、ちょっと出かけようよ〜」
しかしながら待っているのも暇である。
部屋を訪ねてきたラストが甘えた声を出す。
外は雪が積もり寒いので体を動かすにも適していないが、流石に暇だった。
グルーウィンに入って、ダンジョンについての情報収集もしながら一行はさらに北上して行く。
近づくにつれ極寒のダンジョンについての話は増えるが、情報の中身としてはそれほど増えてこない。
極寒のダンジョンはグルーウィンで管理していて、長いこと攻略がなされていなかった。
ダンジョンブレイク対策に年に一度ほど討伐隊を組み、極寒のダンジョンの浅いところで魔物を倒しているようである。
攻略不可なので分かっていたが、浅いところの情報しかないのである。
ただ討伐隊が派遣されるのが近いということは耳にした。
人気のダンジョンともなれば、ギルドや国で攻略する人が殺到しすぎないようにと管理していることもある。
また逆に高難度のダンジョンでは帰ってこない人も多いため、そうした人たちのことが分かる様に入場を管理していることもある。
極寒のダンジョンの場合は後者だ。
攻略不可に終わっていることから分かる通り、極寒のダンジョンに挑んで帰ってこなかった人は多い。
そのためにグルーウィンから委託されて、冒険者ギルドが極寒のダンジョンの入場を管理していた。
といっても申請すれば許可は出る。
よほどのことがない限りはダンジョンの攻略など止めるなんて出来ないからだ。
名前ぐらい教えて行ってくれという話であるだけ。
遺族を積極的に探すことはしなくても遺族から聞かれた時に名前が分かっていると、ダンジョンで何かが起きた可能性は伝えられるからだ。
「もうダンジョンのことを考えるぐらいになったな。そろそろしっかりと準備を進めておこう」
ダンジョンに近づいてくると必要なのは準備である。
事前の情報でも分かっていたが、実際に聞いて確かめた情報を元にしてダンジョンへの備えをしておく。
極寒のダンジョンは広いフィールド型のダンジョンである。
端がどこかも分からないぐらいに広く、名前の通りに寒さが厳しい。
魔道具だけじゃなく、いざという時の燃料など温かさを維持できる物や攻略が長期化する可能性が高いので、十分すぎるぐらいの食料が必要である。
寒い地域なので食料品は高いが買いためておく必要もある。
道中迷惑にならない様に計画立てて食料も買いだめを行っておく。
「マジックボックスの袋ですか」
「ああ、かなり値は張ったけれど便利だよ」
流石にプラチナランクになるとマジックボックスのかけられた袋も持っていて、袋に詰め込んで可能な限り食料を溜め込んでいた。
ポーションなどの薬も補充して、万全の備えでダンジョン前にある最後の町にたどり着いた。
これより先は人里のない辺境の地になる。
しかしそうでありながらそれなりに賑わっている町であった。
ダンジョンのおかげもあるが、町より先にはよく魔物が出るのでそうした需要があって賑わっているのである。
端は端でその様な町を維持できる理由があるものだ。
「まずは攻略の登録だね」
町にはそこそこ大きめの冒険者ギルドがあり、極寒のダンジョンに挑む旨を伝える。
全員分の名前を記入し、簡単にダンジョンの危険性とグルーウィンとギルドがかけている報償金の説明を受けた。
極寒のダンジョンを攻略してもらうためには、やはり直接的な報酬も必要である。
そのためにグルーウィンは、極寒のダンジョンの攻略者のために報償金を毎年積み立てている。
今では攻略に成功すればリュードたちの一人頭で割ったとしても、引退して生きていけるだけのお金が手に入るのだ。
さらにグルーウィンでは望むなら国の要職に就くことまでできる。
攻略不可ダンジョンを攻略した者の名声は当然に得られるので、そうした者を国に迎え入れたい意図がある。
どの道グルーウィンの中で優遇されることになるのは間違いない。
「攻略に向かうならもう少し待った方がいいですよ」
「どうしてですか？」
早速ダンジョンへ、と思ったのだけど、ギルドから待った方がいいと言われた。
先日耳にしたダンジョンブレイクを防ぐための討伐隊が近々集まって行くことになるそうで、同行していけば道中も楽だし浅いところは討伐隊の方で魔物を倒してくれるというのだ。
「なるほど……それなら攻略隊を待った方がいいかもしれないね」
ギルド側からの提案に断る理由も見つからない。
反対意見もなく討伐隊を待って一緒にダンジョンに向かうことにした。
ギルド側も討伐隊にプラチナランクの冒険者が同行してくれればリスクが減るのでウィンウィンである。
ただ討伐隊も集まる時間があって、すぐにとはいかないので待つことになる。
「攻略隊が集まって出発するまでは自由時間としよう」
リュードたちは宿を取ってのんびりと討伐隊が集まるのを待った。
よく町中を観察すると冒険者がちょっと増えた様な気がしないでもないな、とリュードは思っていた。
「お会いできて光栄です。よろしくお願いいたします」
「ああ、よろしく頼むよ」
たまたま部屋を出たところでウィドウが一人の男と握手をしていた。
「今のは誰ですか？」
「挨拶に来た冒険者だ。攻略隊に参加するらしい」
リュードのところには来ないがウィドウのところには討伐隊に参加する冒険者が挨拶に来たりしていた。
「リュードォ、ちょっと出かけようよ〜」
しかしながら待っているのも暇である。
部屋を訪ねてきたラストが甘えた声を出す。
外は雪が積もり寒いので体を動かすにも適していないが、流石に暇だった。
