「俺たちが小国に辿り着いた時にはひどい有様だった」
他国からの軍隊がすでに到着していて、冒険者も含めた大規模討伐隊が編成されていてもうモンスターパニックに一度挑んだ後だった。
ゴブリンを押しとどめることには成功したのだが被害は甚大だった。
相手はただのゴブリンやゴブリンの進化種だけではなかったのだ。
敵のリーダーは三体のゴブリンオーガであったのである。
オーガという強力な魔物の個体がいるのだがゴブリンが進化を重ねていくとまるでオーガのように強力になることが稀にある。
その戦闘力はオーガにも引けを取らないと言われていて、決して簡単な相手ではない。
むしろ戦いを重ねてゴブリンオーガになった魔物はオーガよりも厄介だと言える。
そんなゴブリンの最上位にも近い進化種がいて討伐隊は被害を受けていた。
ゴブリンたちは死をも恐れない突撃を見せ、多少の知恵のある進化種のホブゴブリンやゴブリンメイジは連携をし、そしてゴブリンオーガが現れて暴れ回った。
ゴブリンたちが深追いしてこなかったので討伐隊は甚大な被害というところで済んだのかもしれない。
非常に暗い雰囲気が討伐隊には漂っていた。
“みなさん諦めてはなりません!”
そんな中でもテレサは人々を治しながら鼓舞して回り、討伐隊はどうにか持ち直した。
モンスターパニックは決して対岸の火事ではない。
小国が魔物を押しとどめることができなければ次の被害は自分の国かもしれない。
魔物が勢いづいてより増えれば討伐も困難になっていくと考えた周辺国もさらに増援の戦力も出して、第二次討伐隊が編成されて大決戦となった。
「かなり大規模な討伐になったんですね」
「あれほどの戦いはそうあるものではないな」
今度はゴブリン相手であると言う油断もない。
聖職者の治療や強化の支援もあって戦闘は優位に進められゴブリンたちの勢いも減りはじめた。
そこでゴブリンオーガも前に出てきた。
多少の知恵を働かせたゴブリンオーガは一気に兵士たちの間を突っ切って討伐隊の後ろを狙った。
魔法使いや聖職者たちをどうにかしようとしたのである。
予想外の動きに戦線は乱れた。
それでも討伐体は被害を出しながらもどうにかゴブリンオーガを押し戻すことに成功した。
「だがやはりゴブリンオーガをなんとかしなければならないという認識はみんなの中にあった」
そこで第三次討伐隊は手を打った。
最初はこれまでと同様にゴブリンの大群と当たり、数を減らしていく。
最初の頃よりもゴブリンの数はだいぶ減っていき、相手の士気が下がってきたところに予想通りにゴブリンオーガが前に出てきた。
しかし今度は簡単には後ろに行かせない。
兵士や冒険者が協力してゴブリンオーガを誘導する。
ゴブリンオーガをバラけさせ、そのタイミングで狙ったよくに後ろに向かわせたのだ。
後ろに来てくれることが分かっているならば対処のしようもある。
第三次討伐隊では後ろに強力な冒険者で組んだゴブリンオーガ対応のチームを置いておいたのだ。
そのうちの一つでゴブリンオーガの一体を相手取ったのがダリルであった。
ダリルがいるということはテレサもいる。
「誰かから奪ったような大きな斧を持っているゴブリンオーガが俺たちの相手だった」
ゴブリンオーガが逃げないようにと盾を構えた兵士たちが囲む中でダリルとゴブリンオーガは戦った。
肉体的に優れたゴブリンオーガはダリルとも同等の力を見せ、戦いは拮抗していた。
けれど戦いが続くにつれ均衡が崩れ始めた。
強かったのはダリルの方である。
テレサの強化や回復を受けながら戦うダリルはゴブリンオーガ以上に頑丈で回復が早く、さらに戦いの経験においてはダリルの方が何枚も上手であった。
戦いを続けるほどにダリルが押し始め勝利は目に見えていた。
「……そんな時、だった」
盾を構える兵士を飛び越えて別のゴブリンオーガが飛び込んできたのだ。
血に赤く染まった大振りの剣を肩に担いだゴブリンオーガはところどころに傷があって興奮状態であった。
ゴブリンオーガを受け持っていた冒険者パーティーが敗北したのだ。
わずかに残った理性を働かせ、不利なゴブリンオーガの支援に来た。
斧を持ったゴブリンオーガは不満そうな顔をしたが、負けそうだったのは事実なので屈辱で怒りのこもった目をダリルに向けて二体でダリルと戦い始めたのである。
一気に形成が不利になってのは言うまでもない。
一体相手にしてギリギリ勝てそうだった状況で二体目が来て勝てるはずがない。
ダリルはゴブリンオーガに攻められながらもなんとか持ち堪えていた。
希望は残る3体目のゴブリンオーガを相手にしている冒険者だ。
倒してこちらに来てくれれば倒せる可能性は十分にある。
けれどいつまで経っても冒険者は来ない。
冒険者たちがどうなったのかの一報を受けたのはテレサだった。
ゴブリンオーガ討伐成功した
ただし冒険者たちも被害を受け、すぐには来られない。
テレサは決断した。
このままではダリルがやられてしまう。
だから禁じ手を使った。
他国からの軍隊がすでに到着していて、冒険者も含めた大規模討伐隊が編成されていてもうモンスターパニックに一度挑んだ後だった。
ゴブリンを押しとどめることには成功したのだが被害は甚大だった。
相手はただのゴブリンやゴブリンの進化種だけではなかったのだ。
敵のリーダーは三体のゴブリンオーガであったのである。
オーガという強力な魔物の個体がいるのだがゴブリンが進化を重ねていくとまるでオーガのように強力になることが稀にある。
その戦闘力はオーガにも引けを取らないと言われていて、決して簡単な相手ではない。
むしろ戦いを重ねてゴブリンオーガになった魔物はオーガよりも厄介だと言える。
そんなゴブリンの最上位にも近い進化種がいて討伐隊は被害を受けていた。
ゴブリンたちは死をも恐れない突撃を見せ、多少の知恵のある進化種のホブゴブリンやゴブリンメイジは連携をし、そしてゴブリンオーガが現れて暴れ回った。
ゴブリンたちが深追いしてこなかったので討伐隊は甚大な被害というところで済んだのかもしれない。
非常に暗い雰囲気が討伐隊には漂っていた。
“みなさん諦めてはなりません!”
そんな中でもテレサは人々を治しながら鼓舞して回り、討伐隊はどうにか持ち直した。
モンスターパニックは決して対岸の火事ではない。
小国が魔物を押しとどめることができなければ次の被害は自分の国かもしれない。
魔物が勢いづいてより増えれば討伐も困難になっていくと考えた周辺国もさらに増援の戦力も出して、第二次討伐隊が編成されて大決戦となった。
「かなり大規模な討伐になったんですね」
「あれほどの戦いはそうあるものではないな」
今度はゴブリン相手であると言う油断もない。
聖職者の治療や強化の支援もあって戦闘は優位に進められゴブリンたちの勢いも減りはじめた。
そこでゴブリンオーガも前に出てきた。
多少の知恵を働かせたゴブリンオーガは一気に兵士たちの間を突っ切って討伐隊の後ろを狙った。
魔法使いや聖職者たちをどうにかしようとしたのである。
予想外の動きに戦線は乱れた。
それでも討伐体は被害を出しながらもどうにかゴブリンオーガを押し戻すことに成功した。
「だがやはりゴブリンオーガをなんとかしなければならないという認識はみんなの中にあった」
そこで第三次討伐隊は手を打った。
最初はこれまでと同様にゴブリンの大群と当たり、数を減らしていく。
最初の頃よりもゴブリンの数はだいぶ減っていき、相手の士気が下がってきたところに予想通りにゴブリンオーガが前に出てきた。
しかし今度は簡単には後ろに行かせない。
兵士や冒険者が協力してゴブリンオーガを誘導する。
ゴブリンオーガをバラけさせ、そのタイミングで狙ったよくに後ろに向かわせたのだ。
後ろに来てくれることが分かっているならば対処のしようもある。
第三次討伐隊では後ろに強力な冒険者で組んだゴブリンオーガ対応のチームを置いておいたのだ。
そのうちの一つでゴブリンオーガの一体を相手取ったのがダリルであった。
ダリルがいるということはテレサもいる。
「誰かから奪ったような大きな斧を持っているゴブリンオーガが俺たちの相手だった」
ゴブリンオーガが逃げないようにと盾を構えた兵士たちが囲む中でダリルとゴブリンオーガは戦った。
肉体的に優れたゴブリンオーガはダリルとも同等の力を見せ、戦いは拮抗していた。
けれど戦いが続くにつれ均衡が崩れ始めた。
強かったのはダリルの方である。
テレサの強化や回復を受けながら戦うダリルはゴブリンオーガ以上に頑丈で回復が早く、さらに戦いの経験においてはダリルの方が何枚も上手であった。
戦いを続けるほどにダリルが押し始め勝利は目に見えていた。
「……そんな時、だった」
盾を構える兵士を飛び越えて別のゴブリンオーガが飛び込んできたのだ。
血に赤く染まった大振りの剣を肩に担いだゴブリンオーガはところどころに傷があって興奮状態であった。
ゴブリンオーガを受け持っていた冒険者パーティーが敗北したのだ。
わずかに残った理性を働かせ、不利なゴブリンオーガの支援に来た。
斧を持ったゴブリンオーガは不満そうな顔をしたが、負けそうだったのは事実なので屈辱で怒りのこもった目をダリルに向けて二体でダリルと戦い始めたのである。
一気に形成が不利になってのは言うまでもない。
一体相手にしてギリギリ勝てそうだった状況で二体目が来て勝てるはずがない。
ダリルはゴブリンオーガに攻められながらもなんとか持ち堪えていた。
希望は残る3体目のゴブリンオーガを相手にしている冒険者だ。
倒してこちらに来てくれれば倒せる可能性は十分にある。
けれどいつまで経っても冒険者は来ない。
冒険者たちがどうなったのかの一報を受けたのはテレサだった。
ゴブリンオーガ討伐成功した
ただし冒険者たちも被害を受け、すぐには来られない。
テレサは決断した。
このままではダリルがやられてしまう。
だから禁じ手を使った。


