「……あぁ…………」
竜人族は酒に強い。
毒に強い性質からアルコール類にもある程度の耐性があるのだけど、リュードはその竜人族の中でも特に酒に強かった。
そのためにこれまで散々ドワーフたちと酒を飲み交わしても二日酔いにもならなかったぐらいである。
朝起きても酒が残っている感覚もなくパッチリと目が覚めていた。
「くっ……今回はキツイな……」
しかしドゥルビョとの飲み勝負は激戦も激戦だった。
酒も飲みやすいのに度数が強い危険な代物だったのでかなりの量を飲んだ。
流石に後を引いている。
目が覚めても頭がぼんやりとしていて動きたくない気分だった。
部屋に戻った記憶はないけれどベッドに寝ていた。
ルフォンやラストあたりが頑張ってくれたのだろうと少し遅れて気がついた。
しばらく天井を見つめていたけど、ようやく意識がはっきりしてきたのでベッドから起き上がる。
「水……それになんかお腹も空いたな」
どれだけの時間が経ったのか分からないけれど、空腹であった。
何か軽く食べられるものでも欲しくなってケルタにお願いしようとふらふらと立ち上がって部屋を出た。
リュードが動き出したことを察したのだろう、ルフォンたちも部屋を出てくる。
ルフォンとラストの後ろにはハチがいた。
いないと思っていたらルフォンたちといたのかと思ったが、ハチの異変にすぐに気がついた。
ハチの頬が腫れあがっている。
まるで大きな肉球に殴られたような形に赤く腫れているのだ。
「悔しいですぅ!」
ハチは頬を膨らませて涙目になっている。
何があったのか分かっていないリュードは首を傾げた。
「ふふん」
一方でルフォンは勝ち誇った顔をしている。
実はリュードが寝ている間にルフォンとハチには一悶着あったのだ。
なぜルフォンがハチと戦うことになったのか。
それはハチが悪かった。
ーーーーー
ドゥルビョが寝てしまってから程なくしてリュードも地面に寝転んで寝始めた。
多くのドワーフも寝ている中でプワプワした気持ちになっていたハチはおもむろにリュードの隣に座った。
そしてジーッとリュードの顔を見て、視線をリュードの下半身へと動かした。
おもむろに手を伸ばすとリュードのズボンに手をかけてスッと下に下ろした。
「何してるの!」
リュードに水でも持ってきてあげようしたルフォンが目にしたのはハチがリュードの下着に手をかけているところであった。
「クッ! 邪魔しないで!」
「そうはいかないよ!」
水の入ったコップを投げつける。
下着がずり下ろされる前にどうにかハチをリュードから引き剥がさねばとルフォンがハチに殴りかかった。
コップとルフォンの攻撃をかわして飛び上がるようにしてハチが距離を取る。
やはり所詮は魔物か、と思った。
負けて命を差し出すと言いながら反撃の機会をうかがっていたのだとルフォンはハチに強い怒りを覚えた。
リュードの優しさに漬け込む卑劣なやり方だ。
「寝てる間に何するつもりだったの?」
「何……だって? そりゃ……その…………ナニっていうか」
カッとハチの顔が真っ赤になる。
酔った勢いでやろうとしていたことを一気に自覚する。
「子種……貰えないかなって…………」
行動としては当然のことなのに口に出すと恥ずかしい。
指先をツンツンとつつき合わせるハチ。
ハチはリュードを襲おうとしていた、性的に。
「こ……」
「やっ、やっぱり強いオスに惹かれるのはメスのほんのーっていうか! いや、だって、今ならチャンスかな……って」
「えっ、殺そうとしてたんじゃ……?」
「こ、殺そうとなんてしてない! そんな卑怯なこと私はしないよ! ただちょっと子種をいただいて子供でも……」
子孫繁栄の本能。
強くて、優しくて、見た目も悪くない。
ハチもリュードが相手なら歓迎したいくらいだと思っていた。
そこに据え膳、しかもチャンスだと屋根の上から大キラービーが叫んでいた。
とりあえず子供だけでも作っときなさいと大キラービーに言われて、お酒で思考の鈍っていたハチはリュードを性的にいただこうとしたのであった。
「な、なな……」
思ってたのとは違うけど命だろうが子種だろうが勝手にいただくのは許せない。
子種はリュードの同意があるなら……とも絶対に言わない。
「私を打ち負かすほどの強いオスの子種が欲しいと思うのは悪いことでしょうか?」
「悪くないけど勝手に貰うのはダメだよ!」
ルフォンも知識のないウブな娘ではない。
子種をもらうことの意味ぐらいは知っている。
ハチは特に体が人とほとんど同じであるので、子種をいただくということは行為をいたすことでもある。
自分だってその段階に行けていないのだ、ポッと出の魔物にリュードのリュードを奪われるわけにはいかなかった。
「むむむ……邪魔しないでよ!」
しかしここまできてはハチも引っ込みがつかない。
酔ってるからこんなことできるのであり、素面に戻ったらこんな大胆にオスに迫るなんてこと二度とできる気がしない。
それにやはりリュードほどのオスはいないと思うので逃したくもない。
竜人族は酒に強い。
毒に強い性質からアルコール類にもある程度の耐性があるのだけど、リュードはその竜人族の中でも特に酒に強かった。
そのためにこれまで散々ドワーフたちと酒を飲み交わしても二日酔いにもならなかったぐらいである。
朝起きても酒が残っている感覚もなくパッチリと目が覚めていた。
「くっ……今回はキツイな……」
しかしドゥルビョとの飲み勝負は激戦も激戦だった。
酒も飲みやすいのに度数が強い危険な代物だったのでかなりの量を飲んだ。
流石に後を引いている。
目が覚めても頭がぼんやりとしていて動きたくない気分だった。
部屋に戻った記憶はないけれどベッドに寝ていた。
ルフォンやラストあたりが頑張ってくれたのだろうと少し遅れて気がついた。
しばらく天井を見つめていたけど、ようやく意識がはっきりしてきたのでベッドから起き上がる。
「水……それになんかお腹も空いたな」
どれだけの時間が経ったのか分からないけれど、空腹であった。
何か軽く食べられるものでも欲しくなってケルタにお願いしようとふらふらと立ち上がって部屋を出た。
リュードが動き出したことを察したのだろう、ルフォンたちも部屋を出てくる。
ルフォンとラストの後ろにはハチがいた。
いないと思っていたらルフォンたちといたのかと思ったが、ハチの異変にすぐに気がついた。
ハチの頬が腫れあがっている。
まるで大きな肉球に殴られたような形に赤く腫れているのだ。
「悔しいですぅ!」
ハチは頬を膨らませて涙目になっている。
何があったのか分かっていないリュードは首を傾げた。
「ふふん」
一方でルフォンは勝ち誇った顔をしている。
実はリュードが寝ている間にルフォンとハチには一悶着あったのだ。
なぜルフォンがハチと戦うことになったのか。
それはハチが悪かった。
ーーーーー
ドゥルビョが寝てしまってから程なくしてリュードも地面に寝転んで寝始めた。
多くのドワーフも寝ている中でプワプワした気持ちになっていたハチはおもむろにリュードの隣に座った。
そしてジーッとリュードの顔を見て、視線をリュードの下半身へと動かした。
おもむろに手を伸ばすとリュードのズボンに手をかけてスッと下に下ろした。
「何してるの!」
リュードに水でも持ってきてあげようしたルフォンが目にしたのはハチがリュードの下着に手をかけているところであった。
「クッ! 邪魔しないで!」
「そうはいかないよ!」
水の入ったコップを投げつける。
下着がずり下ろされる前にどうにかハチをリュードから引き剥がさねばとルフォンがハチに殴りかかった。
コップとルフォンの攻撃をかわして飛び上がるようにしてハチが距離を取る。
やはり所詮は魔物か、と思った。
負けて命を差し出すと言いながら反撃の機会をうかがっていたのだとルフォンはハチに強い怒りを覚えた。
リュードの優しさに漬け込む卑劣なやり方だ。
「寝てる間に何するつもりだったの?」
「何……だって? そりゃ……その…………ナニっていうか」
カッとハチの顔が真っ赤になる。
酔った勢いでやろうとしていたことを一気に自覚する。
「子種……貰えないかなって…………」
行動としては当然のことなのに口に出すと恥ずかしい。
指先をツンツンとつつき合わせるハチ。
ハチはリュードを襲おうとしていた、性的に。
「こ……」
「やっ、やっぱり強いオスに惹かれるのはメスのほんのーっていうか! いや、だって、今ならチャンスかな……って」
「えっ、殺そうとしてたんじゃ……?」
「こ、殺そうとなんてしてない! そんな卑怯なこと私はしないよ! ただちょっと子種をいただいて子供でも……」
子孫繁栄の本能。
強くて、優しくて、見た目も悪くない。
ハチもリュードが相手なら歓迎したいくらいだと思っていた。
そこに据え膳、しかもチャンスだと屋根の上から大キラービーが叫んでいた。
とりあえず子供だけでも作っときなさいと大キラービーに言われて、お酒で思考の鈍っていたハチはリュードを性的にいただこうとしたのであった。
「な、なな……」
思ってたのとは違うけど命だろうが子種だろうが勝手にいただくのは許せない。
子種はリュードの同意があるなら……とも絶対に言わない。
「私を打ち負かすほどの強いオスの子種が欲しいと思うのは悪いことでしょうか?」
「悪くないけど勝手に貰うのはダメだよ!」
ルフォンも知識のないウブな娘ではない。
子種をもらうことの意味ぐらいは知っている。
ハチは特に体が人とほとんど同じであるので、子種をいただくということは行為をいたすことでもある。
自分だってその段階に行けていないのだ、ポッと出の魔物にリュードのリュードを奪われるわけにはいかなかった。
「むむむ……邪魔しないでよ!」
しかしここまできてはハチも引っ込みがつかない。
酔ってるからこんなことできるのであり、素面に戻ったらこんな大胆にオスに迫るなんてこと二度とできる気がしない。
それにやはりリュードほどのオスはいないと思うので逃したくもない。


