「まさか本当に朝から酒盛りをするのか?」
周りにいたドワーフに何をしているのかそれとなく聞いてみる。
ドワーフは笑って答えてくれた。
「酒飲み勝負さ。見て分かるだろ」
降参するか、酒を飲みきれなくなるか、潰れるか。
冒険者でも時々やる勝負なのでリザーセツも分からなくないけれど、朝っぱらから宿の前でそんなことはやらない。
さらにドワーフはお酒が好きで同時にお酒に強いことも知っている。
ドワーフが作る酒は美味いが強いなんてことも聞いたことがある。
普通の人が飲めばあっという間に酔っ払ってしまうようなドワーフの酒をリュードは一気に飲み干した。
危ないのではないかとリザーセツは思った。
酒を飲みすぎていきなり倒れてしまう奴もいる。
強い酒を一気に飲み干すなんて危険すぎる行為である。
向かい合うドワーフも同じく一気に酒を飲んで、豪快に笑う。
空になったカップを確認してさらにまた酒を注ぐ。
「……あんな感じで仲良くなっていったのか?」
リュードがドワーフと同じ早さでお酒を飲む。
ふとお酒の匂いが漂ってくる。
あんな飲み方をしては死んでしまうかもしれない。
止めに入ろうとしたリザーセツをドワーフたちが止める。
何をすると怒られ、いいとこなんだからとなだめすかされ、お前も飲めと酒の注がれたカップを渡される。
芳醇で芳しい香りが胸いっぱいに広がる。
それでいながらお酒の香りであり、香りだけでも酔えてしまいそうだとリザーセツは思った。
「ほら、飲むんだ!」
リザーセツも冒険者であるのでお酒を飲む機会はそれなりにある。
弱くもなく自分の限界は知っているけれど、このお酒に対してどれだけ戦えるのか自信がない。
無理矢理とはいっても受け取ってしまった酒を突き返すこともできなくて一杯だけどサッと飲んでリュードを止めようと口をつけた。
「美味い。けど喉が焼けるようだ……」
クゥと声が漏れる。
お酒が喉を流れると胸が熱くなりお酒の香りが鼻から抜けていく。
チラリと見るとリュードは相変わらずドワーフと同じ速度で酒を飲んでいた。
よくあんな早さで飲めるものだと感心してしまう。
早く飲まなきゃと思うけど、お酒が強すぎて少しずつしか飲めない。
酒はまだ残っているのに胸の熱が全身に広がってきた頃、カップを持つ手が二重に見えてきた。
「ほら、もっと飲め」
無くなってもないのにお酒を追加で注がれるリザーセツは断る言葉も言えなかった。
「ぐっ……」
そんな時にリュードと争っていたドワーフが並々と注がれたお酒を一口に飲みきれず、プルプルと手が震えてカップを落としてしまった。
それでも飲めば続行だったが、降参と弱々しくいってカップを落として地面に倒れてしまう。
リザーセツの方からはリュードと対面しているドワーフの背中しか見えていなかったが、ドワーフは顔を真っ赤にして完全に出来上がっていた。
一方でリュードの方はほんのりと頬は赤いけれども、ドワーフのように酔い潰れるほどには見えなかった。
ドワーフたちから歓声が上がる。
次にまたリュードが物を選んでそれを渡される。
地面に転がったドワーフを他のドワーフたちが運んで別のドワーフがリュードの前に座る。
「なんというやり方なんだ……」
不平等な連戦と思うが、挑んだドワーフの方も酒盛りしていてもうすでに顔が赤くなっている。
酒飲み勝負を肴に酒を飲んでいたドワーフでリュードとしてもゼロからの勝負ではない。
完全にイーブンとはいかないけど、それでもドワーフなりに平等を目指したのかもしれない。
ともかくリュードは時々休憩を挟みながらお酒に強いと言われるドワーフたちを撃破していく。
「僕にはとても真似できないな」
すっかり一観客となったリザーセツも感心してしまう。
これが秘訣なのかと。
リザーセツにはとても真似できないどこらか多くの人も真似できないだろう。
飲んでは足され、飲んでは足されを繰り返すリザーセツのカップのお酒はもういくつもの味が混ざったものになっている。
総量で言えばカップ二杯ぐらい。
人のお酒ならまだまだであるが、ドワーフのお酒との戦いにしては飲んだ方である。
もうリザーセツも酔って思考力が低下している。
リュードが勝つとリザーセツも声を上げて喜び、新たなるドワーフの挑戦者に歓声を送る。
やがてリュードに負けて倒れたドワーフだけでなく周りで酒盛りをしていたドワーフたちにも寝始めるものが出てきた。
その中にもリザーセツはいて、気力で持ってる分だけはと飲み切ってカップは空だった。
もう何杯飲んだのかは分からなかった。
軟弱な真人族にしては飲んだ方だとドワーフは笑っていた。
逃げずに飲み、共に一体となって酒飲み勝負を楽しんだ。
ちょびっとだけドワーフからの好感を得られたリザーセツであった。
「次はぁ〜おぉれだぁ〜」
「もう腹チャポチャポなんだけど……」
待ってる間に自分でしこたま酒を飲み、リュードの前にくるのも千鳥足になっているドワーフも二杯で倒れる
挑んでくるドワーフもいなくなってこれで一息つけるとルフォンから水を受け取って飲む。
リュードとしても酔っていないのではない。
正直酔ってはいるのだけど酔い潰れないのである。
ルフォンはお酒の匂いがキツいのは嫌だけど酒飲み勝負をするリュードの近くにいつもいた。
お酒が入って感情が緩くなったリュードはお酒のせいか妖艶な笑みを浮かべる。
ルフォンに優しく微笑み頭を撫でてくれたりするので、お酒を飲んでいるところではちょっと頭を差し出してみていたりする。
周りにいたドワーフに何をしているのかそれとなく聞いてみる。
ドワーフは笑って答えてくれた。
「酒飲み勝負さ。見て分かるだろ」
降参するか、酒を飲みきれなくなるか、潰れるか。
冒険者でも時々やる勝負なのでリザーセツも分からなくないけれど、朝っぱらから宿の前でそんなことはやらない。
さらにドワーフはお酒が好きで同時にお酒に強いことも知っている。
ドワーフが作る酒は美味いが強いなんてことも聞いたことがある。
普通の人が飲めばあっという間に酔っ払ってしまうようなドワーフの酒をリュードは一気に飲み干した。
危ないのではないかとリザーセツは思った。
酒を飲みすぎていきなり倒れてしまう奴もいる。
強い酒を一気に飲み干すなんて危険すぎる行為である。
向かい合うドワーフも同じく一気に酒を飲んで、豪快に笑う。
空になったカップを確認してさらにまた酒を注ぐ。
「……あんな感じで仲良くなっていったのか?」
リュードがドワーフと同じ早さでお酒を飲む。
ふとお酒の匂いが漂ってくる。
あんな飲み方をしては死んでしまうかもしれない。
止めに入ろうとしたリザーセツをドワーフたちが止める。
何をすると怒られ、いいとこなんだからとなだめすかされ、お前も飲めと酒の注がれたカップを渡される。
芳醇で芳しい香りが胸いっぱいに広がる。
それでいながらお酒の香りであり、香りだけでも酔えてしまいそうだとリザーセツは思った。
「ほら、飲むんだ!」
リザーセツも冒険者であるのでお酒を飲む機会はそれなりにある。
弱くもなく自分の限界は知っているけれど、このお酒に対してどれだけ戦えるのか自信がない。
無理矢理とはいっても受け取ってしまった酒を突き返すこともできなくて一杯だけどサッと飲んでリュードを止めようと口をつけた。
「美味い。けど喉が焼けるようだ……」
クゥと声が漏れる。
お酒が喉を流れると胸が熱くなりお酒の香りが鼻から抜けていく。
チラリと見るとリュードは相変わらずドワーフと同じ速度で酒を飲んでいた。
よくあんな早さで飲めるものだと感心してしまう。
早く飲まなきゃと思うけど、お酒が強すぎて少しずつしか飲めない。
酒はまだ残っているのに胸の熱が全身に広がってきた頃、カップを持つ手が二重に見えてきた。
「ほら、もっと飲め」
無くなってもないのにお酒を追加で注がれるリザーセツは断る言葉も言えなかった。
「ぐっ……」
そんな時にリュードと争っていたドワーフが並々と注がれたお酒を一口に飲みきれず、プルプルと手が震えてカップを落としてしまった。
それでも飲めば続行だったが、降参と弱々しくいってカップを落として地面に倒れてしまう。
リザーセツの方からはリュードと対面しているドワーフの背中しか見えていなかったが、ドワーフは顔を真っ赤にして完全に出来上がっていた。
一方でリュードの方はほんのりと頬は赤いけれども、ドワーフのように酔い潰れるほどには見えなかった。
ドワーフたちから歓声が上がる。
次にまたリュードが物を選んでそれを渡される。
地面に転がったドワーフを他のドワーフたちが運んで別のドワーフがリュードの前に座る。
「なんというやり方なんだ……」
不平等な連戦と思うが、挑んだドワーフの方も酒盛りしていてもうすでに顔が赤くなっている。
酒飲み勝負を肴に酒を飲んでいたドワーフでリュードとしてもゼロからの勝負ではない。
完全にイーブンとはいかないけど、それでもドワーフなりに平等を目指したのかもしれない。
ともかくリュードは時々休憩を挟みながらお酒に強いと言われるドワーフたちを撃破していく。
「僕にはとても真似できないな」
すっかり一観客となったリザーセツも感心してしまう。
これが秘訣なのかと。
リザーセツにはとても真似できないどこらか多くの人も真似できないだろう。
飲んでは足され、飲んでは足されを繰り返すリザーセツのカップのお酒はもういくつもの味が混ざったものになっている。
総量で言えばカップ二杯ぐらい。
人のお酒ならまだまだであるが、ドワーフのお酒との戦いにしては飲んだ方である。
もうリザーセツも酔って思考力が低下している。
リュードが勝つとリザーセツも声を上げて喜び、新たなるドワーフの挑戦者に歓声を送る。
やがてリュードに負けて倒れたドワーフだけでなく周りで酒盛りをしていたドワーフたちにも寝始めるものが出てきた。
その中にもリザーセツはいて、気力で持ってる分だけはと飲み切ってカップは空だった。
もう何杯飲んだのかは分からなかった。
軟弱な真人族にしては飲んだ方だとドワーフは笑っていた。
逃げずに飲み、共に一体となって酒飲み勝負を楽しんだ。
ちょびっとだけドワーフからの好感を得られたリザーセツであった。
「次はぁ〜おぉれだぁ〜」
「もう腹チャポチャポなんだけど……」
待ってる間に自分でしこたま酒を飲み、リュードの前にくるのも千鳥足になっているドワーフも二杯で倒れる
挑んでくるドワーフもいなくなってこれで一息つけるとルフォンから水を受け取って飲む。
リュードとしても酔っていないのではない。
正直酔ってはいるのだけど酔い潰れないのである。
ルフォンはお酒の匂いがキツいのは嫌だけど酒飲み勝負をするリュードの近くにいつもいた。
お酒が入って感情が緩くなったリュードはお酒のせいか妖艶な笑みを浮かべる。
ルフォンに優しく微笑み頭を撫でてくれたりするので、お酒を飲んでいるところではちょっと頭を差し出してみていたりする。


