「ウォーターバインド!」
魔法とはほとほと不思議なものである。
自分の体の中にあるエネルギーを自在に操ることができるなんて前世の常識では考えられない。
そのエネルギーを変化させて火や電気、あるいは水にも出来るなんてファンタジーそのものだけど、今リュードはそんな世界にいる。
リュードの魔力がキラービーの下の地面のところまで飛んでいく。
そして魔力が変化をして水になる。
触手のように細長く形を成した水は地面から伸びてキラービーの体に絡みついた。
練習してきた水の魔法である。
雷属性の魔法でもよかったけれど距離が開けば開くほど雷は拡散して魔力の消費も激しくなる。
音もするので気づかれてしまうこともあり得る。
キラービーの能力が分からないのでここは覚えたてでも水属性の魔法を使った。
グッと地面に引き寄せられてバランスを崩しながら着地するキラービーにリュードが飛びかかる。
状況が分かっていないキラービーに素早く近づいてリュードは羽を一枚切り裂いた。
再び飛ぼうと試みていたキラービーは痛みと羽を失ったことで地面に転がって、水の触手によって完全に拘束される。
「ラスト!」
「分かってる!」
キラービーは強い魔物なので固いことも想定される。
ラストは目一杯弓を引き絞り矢に魔力を込める。
バランスを崩して地面に伏せるキラービーは格好のラストの的である。
ラストが弓の魔力を抜きながら矢から手を離す。
リュードでも対応が難しいほどの速度で矢が放たれて真っ直ぐにキラービーの頭に向かった。
頭に当たった矢はそのままキラービーを貫通すると遠く離れた木に刺さった。
「どうだ?」
リュードの魔法による水の拘束が解けるけれど、キラービーは動かない。
頭を貫かれては生きているはずもないが、剣を構えて警戒して近づく。
ちょんちょんと剣先でキラービーを突いてみてもピクリとも動かない。
「大丈夫そうだな」
リュードはキラービーが死んだと合図を送る。
「うー、めんどくさ!」
キラービーは死んだ。
リュードたちがキラービーの死体を袋に詰めて吊るす間、ラストは矢を取りに走った。
思っていたよりもキラービーの体は固くなかった。
速さと攻撃力を重視するキラービーの体は速さのために軽くて防御力が低かったのである。
「毒でやられてるな……」
木の根元にいた人はすでに亡くなっていた。
身元を確認するとウメハトの仲間であったので、申し訳ないけれど木に吊るしておいた。
「帰るか。ウメハトの仲間も何人か見つけたしキラービーのこともあるしな」
一度リュードたちは帰ることにした。
いい時間であるしキラービーがいたことを早めに報告しておく必要があると思ったからである。
死体の回収のために集める冒険者も相応にキラービーに対応できる人を揃えなきゃいけなくなる。
キラービーの死体は思っていたよりも軽かった。
冒険者ギルドに帰ってきたリュードが抱えていた袋を見てギルドの面々はリュードがウメハトの仲間の死体を持って帰ってきたのではと期待した。
開けてびっくり、袋の中身はキラービーで冒険者ギルドには緊張が走った。
何人かの死体を見つけて木に吊るしておいたことを報告して吊るした場所に印をつけた地図をギルドに返す。
キラービーは群れで暮らす魔物なので一体だけいるとも考えにくい。
他にもキラービーがいる可能性があるので、より慎重で詳細な調査も必要そうだ。
リュードたちは期待以上の成果を上げて帰ってきた。
残る死体も一人だけなのでそちらの方は冒険者ギルドの方で探すことになり、死体の回収に向かった冒険者たちが見つけることとなった。
魔法とはほとほと不思議なものである。
自分の体の中にあるエネルギーを自在に操ることができるなんて前世の常識では考えられない。
そのエネルギーを変化させて火や電気、あるいは水にも出来るなんてファンタジーそのものだけど、今リュードはそんな世界にいる。
リュードの魔力がキラービーの下の地面のところまで飛んでいく。
そして魔力が変化をして水になる。
触手のように細長く形を成した水は地面から伸びてキラービーの体に絡みついた。
練習してきた水の魔法である。
雷属性の魔法でもよかったけれど距離が開けば開くほど雷は拡散して魔力の消費も激しくなる。
音もするので気づかれてしまうこともあり得る。
キラービーの能力が分からないのでここは覚えたてでも水属性の魔法を使った。
グッと地面に引き寄せられてバランスを崩しながら着地するキラービーにリュードが飛びかかる。
状況が分かっていないキラービーに素早く近づいてリュードは羽を一枚切り裂いた。
再び飛ぼうと試みていたキラービーは痛みと羽を失ったことで地面に転がって、水の触手によって完全に拘束される。
「ラスト!」
「分かってる!」
キラービーは強い魔物なので固いことも想定される。
ラストは目一杯弓を引き絞り矢に魔力を込める。
バランスを崩して地面に伏せるキラービーは格好のラストの的である。
ラストが弓の魔力を抜きながら矢から手を離す。
リュードでも対応が難しいほどの速度で矢が放たれて真っ直ぐにキラービーの頭に向かった。
頭に当たった矢はそのままキラービーを貫通すると遠く離れた木に刺さった。
「どうだ?」
リュードの魔法による水の拘束が解けるけれど、キラービーは動かない。
頭を貫かれては生きているはずもないが、剣を構えて警戒して近づく。
ちょんちょんと剣先でキラービーを突いてみてもピクリとも動かない。
「大丈夫そうだな」
リュードはキラービーが死んだと合図を送る。
「うー、めんどくさ!」
キラービーは死んだ。
リュードたちがキラービーの死体を袋に詰めて吊るす間、ラストは矢を取りに走った。
思っていたよりもキラービーの体は固くなかった。
速さと攻撃力を重視するキラービーの体は速さのために軽くて防御力が低かったのである。
「毒でやられてるな……」
木の根元にいた人はすでに亡くなっていた。
身元を確認するとウメハトの仲間であったので、申し訳ないけれど木に吊るしておいた。
「帰るか。ウメハトの仲間も何人か見つけたしキラービーのこともあるしな」
一度リュードたちは帰ることにした。
いい時間であるしキラービーがいたことを早めに報告しておく必要があると思ったからである。
死体の回収のために集める冒険者も相応にキラービーに対応できる人を揃えなきゃいけなくなる。
キラービーの死体は思っていたよりも軽かった。
冒険者ギルドに帰ってきたリュードが抱えていた袋を見てギルドの面々はリュードがウメハトの仲間の死体を持って帰ってきたのではと期待した。
開けてびっくり、袋の中身はキラービーで冒険者ギルドには緊張が走った。
何人かの死体を見つけて木に吊るしておいたことを報告して吊るした場所に印をつけた地図をギルドに返す。
キラービーは群れで暮らす魔物なので一体だけいるとも考えにくい。
他にもキラービーがいる可能性があるので、より慎重で詳細な調査も必要そうだ。
リュードたちは期待以上の成果を上げて帰ってきた。
残る死体も一人だけなのでそちらの方は冒険者ギルドの方で探すことになり、死体の回収に向かった冒険者たちが見つけることとなった。


