「……それで話とは何ですか?」
ギルドの方から話があるとリュードたちは会議室に留め置かれた。
ウメハトは退席してギルドの職員が入れ替わりで会議室に入ってきた。
「ご依頼したいことがございまして」
「依頼ですか?」
「はい、そうです」
リュードがルフォンとラストに視線を送る。
「話は聞きましょう」
二人も頷き返したのでとりあえず話だけでも聞いてみることにした。
「依頼というのは森でウメハトさんたちのパーティーに何が起きたのか調査してほしいというものです。主にウメハトさんたちのパーティーメンバーの捜索をお願いします」
ギルドからされた話はリュードたちにウメハトのパーティーのメンバーたちの行方を探してほしいという依頼であった。
リュードとルフォンはシルバー−のそれなりに高ランクに差し掛かるランクの冒険者である。
今現在把握している高ランク冒険者で自由がききそうな、かつ事情にも通じているのはリュードたちぐらいだった。
ウメハトの話が本当だとするとキラービーがいる可能性がある。
シルバー−ぐらいなら戦えるし、逃げることも可能だろう。
それに目的は戦闘ではなく、ウメハトのパーティーメンバー探しである。
まだ行方がわからなくなってからそう時間が経ってもいない。
生存の確率は低くても遺品ぐらいなら見つかるかもしれない。
「生存の可能性は低いですがご遺体ぐらいは見つかるかもしれません。そこから何が起きたのか分かるかもしれません」
少数精鋭で潜在的な能力はシルバー−も越えると見られているリュードたちなら十分にこなせる依頼だとギルドはお願いしたのだ。
「どうだ?」
「いいと思うよ」
「うん、気になっちゃうしね」
相談の結果、リュードたちはその依頼を受けることにした。
乗り掛かった船だしラストの実績にも繋がる。
何よりあんな話を聞いてしまっては気になってしょうがない。
例え死体であってもあればありがたい状況で、迅速に動けば死体ぐらいならあるかもしれないという悲しい希望的観測がある。
その日からさっそくリュードたちは森に向かうことにした。
ーーーーー
「デルデまで来なくてよかったのに」
「ふん! 部屋でおとなしくしとれと? 大丈夫、キラービーの攻撃だってこの鎧は通さんわい!」
キラービーがどれほどの強さの魔物かはリュードたちにはまだ分からない。
ルフォンやラストについてはあまり心配していないのだけどデルデについては心配だ。
大丈夫だとはいうけれど、今のデルデは全身フルアーマーの出立ちではない。
あんな重たい鎧を四六時中着ていることはできなくて胸当てしか着けていない。
アーマーなので鎧の一種かもしれないけどこれで安心できる鎧かと言われるとちょっとそうは言えない。
宿で一人こもっていても何にもならないので付いてきたデルデはフルアーマーで動き回ることが厳しいと痛感して軽装にしてきていた。
防御力は低いが音は出ないのでそこに関してのみは良しであるが防御力が大幅に下がってしまった。
それでもドワガルで鉱山を取り戻した時も戦いには参加せずサッと下がって応援だけしていたので、よほど油断しない限りは大丈夫なはずだとリュードも前向きに考えておく。
「あまり前に出ないでくださいね」
「分かっとるわい!」
変に頑固なところはあるけれど、戦いに関しては無理は一切しないデルデのことだからいざとなればさっさと逃げてくれるだろう。
リュードたちはまずウメハトたちが待ち伏せをしていたところに向かう。
「……あっちの方だな」
ギルドがウメハトに話を聞いて作ってくれた地図によるとその場所はオークが出るところよりもさらに奥に入ったところであった。
大体の場所に赤く印が付けてある。
「ルフォン頼むぞ」
「オッケー!」
もうすぐ赤い印の場所に着くところまで来ていた。
キラービーは羽音がうるさく、遠くまで聞こえる。
なのでルフォンの聴覚には期待している。
周りの警戒は目視でもするが敵を探すよりも地面などをよく見て痕跡を探す。
今回はウメハトの仲間たちを探しにきた。
闇雲に歩き回っても探すのは大変なので、逃げた先などが予想できる足跡とか枝の折れた跡とかを見つけて経路を予想して進むのだ。
「こっち枝折れてるよ!」
「じゃあそっちの方に行ってみるか」
森の中とはいえ木の密集している場所や逆にまばらな場所もある。
ウメハトたちが襲われた場所の周辺は木々がまばらで空からも地上がよく見える。
キラービーがいたとしたらウメハトたちがよく見えただろう。
まず印の周辺を探して待ち伏せのために近くに置いてあった荷物を見つけた。
食料類は荒らされているが、それ以外の荷物はそのまま地面に散乱していた。
そこを始点にして探していく。
ウメハトたちは森の浅い方に向かって逃げた。
だからリュードたちもそこから浅い方に向かっていく。
なかなか単なる自然と人工的に付けられた痕跡の区別はつきにくい。
慌てて走った時に跳ね上げた土なのか、自然とそうなったのか、あるいは魔物でもいたのか。
ほんのわずかに残る痕跡っぽいものを辿ってリュードたちは進んでいく。
途中痕跡が途絶えて戻ってみたりなんてこともあるが根気強く探していくしかない。
「リュード、あれ!」
ラストが木の影にうつ伏せに倒れている人を発見した。
ギルドの方から話があるとリュードたちは会議室に留め置かれた。
ウメハトは退席してギルドの職員が入れ替わりで会議室に入ってきた。
「ご依頼したいことがございまして」
「依頼ですか?」
「はい、そうです」
リュードがルフォンとラストに視線を送る。
「話は聞きましょう」
二人も頷き返したのでとりあえず話だけでも聞いてみることにした。
「依頼というのは森でウメハトさんたちのパーティーに何が起きたのか調査してほしいというものです。主にウメハトさんたちのパーティーメンバーの捜索をお願いします」
ギルドからされた話はリュードたちにウメハトのパーティーのメンバーたちの行方を探してほしいという依頼であった。
リュードとルフォンはシルバー−のそれなりに高ランクに差し掛かるランクの冒険者である。
今現在把握している高ランク冒険者で自由がききそうな、かつ事情にも通じているのはリュードたちぐらいだった。
ウメハトの話が本当だとするとキラービーがいる可能性がある。
シルバー−ぐらいなら戦えるし、逃げることも可能だろう。
それに目的は戦闘ではなく、ウメハトのパーティーメンバー探しである。
まだ行方がわからなくなってからそう時間が経ってもいない。
生存の確率は低くても遺品ぐらいなら見つかるかもしれない。
「生存の可能性は低いですがご遺体ぐらいは見つかるかもしれません。そこから何が起きたのか分かるかもしれません」
少数精鋭で潜在的な能力はシルバー−も越えると見られているリュードたちなら十分にこなせる依頼だとギルドはお願いしたのだ。
「どうだ?」
「いいと思うよ」
「うん、気になっちゃうしね」
相談の結果、リュードたちはその依頼を受けることにした。
乗り掛かった船だしラストの実績にも繋がる。
何よりあんな話を聞いてしまっては気になってしょうがない。
例え死体であってもあればありがたい状況で、迅速に動けば死体ぐらいならあるかもしれないという悲しい希望的観測がある。
その日からさっそくリュードたちは森に向かうことにした。
ーーーーー
「デルデまで来なくてよかったのに」
「ふん! 部屋でおとなしくしとれと? 大丈夫、キラービーの攻撃だってこの鎧は通さんわい!」
キラービーがどれほどの強さの魔物かはリュードたちにはまだ分からない。
ルフォンやラストについてはあまり心配していないのだけどデルデについては心配だ。
大丈夫だとはいうけれど、今のデルデは全身フルアーマーの出立ちではない。
あんな重たい鎧を四六時中着ていることはできなくて胸当てしか着けていない。
アーマーなので鎧の一種かもしれないけどこれで安心できる鎧かと言われるとちょっとそうは言えない。
宿で一人こもっていても何にもならないので付いてきたデルデはフルアーマーで動き回ることが厳しいと痛感して軽装にしてきていた。
防御力は低いが音は出ないのでそこに関してのみは良しであるが防御力が大幅に下がってしまった。
それでもドワガルで鉱山を取り戻した時も戦いには参加せずサッと下がって応援だけしていたので、よほど油断しない限りは大丈夫なはずだとリュードも前向きに考えておく。
「あまり前に出ないでくださいね」
「分かっとるわい!」
変に頑固なところはあるけれど、戦いに関しては無理は一切しないデルデのことだからいざとなればさっさと逃げてくれるだろう。
リュードたちはまずウメハトたちが待ち伏せをしていたところに向かう。
「……あっちの方だな」
ギルドがウメハトに話を聞いて作ってくれた地図によるとその場所はオークが出るところよりもさらに奥に入ったところであった。
大体の場所に赤く印が付けてある。
「ルフォン頼むぞ」
「オッケー!」
もうすぐ赤い印の場所に着くところまで来ていた。
キラービーは羽音がうるさく、遠くまで聞こえる。
なのでルフォンの聴覚には期待している。
周りの警戒は目視でもするが敵を探すよりも地面などをよく見て痕跡を探す。
今回はウメハトの仲間たちを探しにきた。
闇雲に歩き回っても探すのは大変なので、逃げた先などが予想できる足跡とか枝の折れた跡とかを見つけて経路を予想して進むのだ。
「こっち枝折れてるよ!」
「じゃあそっちの方に行ってみるか」
森の中とはいえ木の密集している場所や逆にまばらな場所もある。
ウメハトたちが襲われた場所の周辺は木々がまばらで空からも地上がよく見える。
キラービーがいたとしたらウメハトたちがよく見えただろう。
まず印の周辺を探して待ち伏せのために近くに置いてあった荷物を見つけた。
食料類は荒らされているが、それ以外の荷物はそのまま地面に散乱していた。
そこを始点にして探していく。
ウメハトたちは森の浅い方に向かって逃げた。
だからリュードたちもそこから浅い方に向かっていく。
なかなか単なる自然と人工的に付けられた痕跡の区別はつきにくい。
慌てて走った時に跳ね上げた土なのか、自然とそうなったのか、あるいは魔物でもいたのか。
ほんのわずかに残る痕跡っぽいものを辿ってリュードたちは進んでいく。
途中痕跡が途絶えて戻ってみたりなんてこともあるが根気強く探していくしかない。
「リュード、あれ!」
ラストが木の影にうつ伏せに倒れている人を発見した。


