「アリアドヘン、いるか?」
ゲルデパットンが彼女と言っていたのでアリアドヘンは女性なのだろう。
弟子であっても女性相手には気を使う。
これが男弟子なら問答無用で入っていたが女弟子なのでちゃんとノックして声をかける。
「ちょちょ、お待ちください!」
デルデがノックすると中から慌ただしい音が聞こえてきた。
「……何をしておるんだ」
別に入るつもりはないから落ち着いて出てくればいいものをと思いながら渋い顔をしてデルデは待つ。
「師匠、おかえりなさいませ!」
ちょっとドタバタした後に可愛らしい顔をしたドワーフの女性が飛び出してきた。
聞くところによるとドワーフは種族の特徴として女性も男性も髭が生える。
女性の方が薄い傾向にはあるが、歳を重ねていくと変わりがなくなり若くても剃らなきゃ男性と同じように蓄えることが出来る。
なので年配のドワーフ女性には見た目に男性と変わらないような立派なお髭をした人も珍しくはない。
ただ今現在の若いドワーフのトレンドは髭なしである。
例に漏れず若いドワーフ女性であるアリアドヘンも毎日髭を剃っているので顔が分かりやすかった。
「あ……お客様ですか。ハハッ、お見苦しいところをお見せしました。はじめまして、師匠の二番弟子であります、アリアドヘンと申します。お見知り置きください」
「こいつは特別手先が器用でな。ワシはあまり弓作りは得意じゃないがこいつの作る弓はそこらのドワーフを上回っておる」
「わ、私ですか? お褒めに預かり光栄です!」
アリアものすごい早さでデルデの褒めの言葉を受け入れて嬉しそうに笑った。
「お前もそろそろ誰かのために武器を作っても良い頃だ。こちらの客の1人が弓を所望していて、お前に任せたいと思っている」
「わ、わあっ、本当ですか!?」
「本当だ。まだ若くて心配はあるかもしれないが腕の良さはワシが保証しよう。弓が欲しいと言ってたのはラストだな。希望要望があれば伝えるといい」
「たはぁー! 師匠からまっかされちゃいました! どちらがラストさんですか? そちらですね。ささっ! 部屋も片付け……てあるので、普段から。どうぞ中に! どのような弓をご所望ですか? 私のおすすめはですね……」
ラストがアリアによって誘拐されていった。
ケルタといいドワーフの女性はおしゃべりが好きなのだろうかおリュードはうっすら思った。
その後リュードたちもデルデと剣をどうするのかの相談をした。
形はそのままを再現してもらえればそれでいい。
それは形が違っていたら殺されかねないからというリュードの要望である。
しかし完全に折れた剣のために修理というよりは作り直すぐらいのことをしなければならず、100%の再現は厳しいかもしれないと言われた。
作り手の癖というものがどうしても剣には出てくる。
なるべく再現してくれるらしいが過度に期待はしないでくれと言われたので多少怒られることは覚悟しておこうと思った。
ついでと言ってはなんだけどルフォンのナイフのメンテナンスやもちろんラストの弓も新調してもらえることになった。
相手がドワーフの国の名工ならばなんの文句もない。
むしろありがたいぐらいである。
「厄介ごとはあるけれど……運が良かったのかもしれないな」
ゲルデパットンが彼女と言っていたのでアリアドヘンは女性なのだろう。
弟子であっても女性相手には気を使う。
これが男弟子なら問答無用で入っていたが女弟子なのでちゃんとノックして声をかける。
「ちょちょ、お待ちください!」
デルデがノックすると中から慌ただしい音が聞こえてきた。
「……何をしておるんだ」
別に入るつもりはないから落ち着いて出てくればいいものをと思いながら渋い顔をしてデルデは待つ。
「師匠、おかえりなさいませ!」
ちょっとドタバタした後に可愛らしい顔をしたドワーフの女性が飛び出してきた。
聞くところによるとドワーフは種族の特徴として女性も男性も髭が生える。
女性の方が薄い傾向にはあるが、歳を重ねていくと変わりがなくなり若くても剃らなきゃ男性と同じように蓄えることが出来る。
なので年配のドワーフ女性には見た目に男性と変わらないような立派なお髭をした人も珍しくはない。
ただ今現在の若いドワーフのトレンドは髭なしである。
例に漏れず若いドワーフ女性であるアリアドヘンも毎日髭を剃っているので顔が分かりやすかった。
「あ……お客様ですか。ハハッ、お見苦しいところをお見せしました。はじめまして、師匠の二番弟子であります、アリアドヘンと申します。お見知り置きください」
「こいつは特別手先が器用でな。ワシはあまり弓作りは得意じゃないがこいつの作る弓はそこらのドワーフを上回っておる」
「わ、私ですか? お褒めに預かり光栄です!」
アリアものすごい早さでデルデの褒めの言葉を受け入れて嬉しそうに笑った。
「お前もそろそろ誰かのために武器を作っても良い頃だ。こちらの客の1人が弓を所望していて、お前に任せたいと思っている」
「わ、わあっ、本当ですか!?」
「本当だ。まだ若くて心配はあるかもしれないが腕の良さはワシが保証しよう。弓が欲しいと言ってたのはラストだな。希望要望があれば伝えるといい」
「たはぁー! 師匠からまっかされちゃいました! どちらがラストさんですか? そちらですね。ささっ! 部屋も片付け……てあるので、普段から。どうぞ中に! どのような弓をご所望ですか? 私のおすすめはですね……」
ラストがアリアによって誘拐されていった。
ケルタといいドワーフの女性はおしゃべりが好きなのだろうかおリュードはうっすら思った。
その後リュードたちもデルデと剣をどうするのかの相談をした。
形はそのままを再現してもらえればそれでいい。
それは形が違っていたら殺されかねないからというリュードの要望である。
しかし完全に折れた剣のために修理というよりは作り直すぐらいのことをしなければならず、100%の再現は厳しいかもしれないと言われた。
作り手の癖というものがどうしても剣には出てくる。
なるべく再現してくれるらしいが過度に期待はしないでくれと言われたので多少怒られることは覚悟しておこうと思った。
ついでと言ってはなんだけどルフォンのナイフのメンテナンスやもちろんラストの弓も新調してもらえることになった。
相手がドワーフの国の名工ならばなんの文句もない。
むしろありがたいぐらいである。
「厄介ごとはあるけれど……運が良かったのかもしれないな」


