「だがつい先日進展があったのだ」
進展と言ったけれどいえるのか甚だ疑問だと思いながらヴァンは言葉を続ける。
ティアローザの北側にある大きな湖。
そこで宰相は発見された。
他の失踪者と共に、死んだ状態で。
「不可解なのが宰相も含め、みな痩せ細った状態で見つかったのだ。まるで長い間監禁でもされていたようだった」
死因も分からない。
逃げるのにも十分な時間もあったのになぜまだ国内にいて、湖で死んでいたのか。
失踪直前までには健康な人たちだったのに湖で発見されるまでの間に異様にやせ細ってしまった原因はなんなのか。
解決されない謎ばかりが増えていく。
未だにこの問題の解決は出来ていない。
これからもこの問題に明確な答えが出ることはないだろうとヴァンは言った。
「他国の存在も疑ったが今私は隣の国とは良好な関係を築いている。むしろベギーオの方が真人族にやや強硬な態度を取っているのでわざわざベギーオを王にしたくて何か工作をしてくるとは思えない」
この異様な一連の出来事はなぜ起きたのか。
あまりにも狂っていておかしいことが続いている。
「悪魔……」
ヴァンは一つの可能性を口にした。
真人族だろうが魔人族だろうが支配しようとする欲深き存在である悪魔が関わっているかもしれないと考えた。
もしかしたら失踪していた人たちは悪魔にさらわれて、悪魔が成り代わっていた可能性すらあると思うのだ。
「何にしてもだ。この事件の調査は続けていくがいつまでもウダウダと続けるわけにはいかない。国内の平定が先た」
ヴァンは結論の出ない問題にため息をついた。
「ひとまず起きたことの説明はこれぐらいになる。結局結論は出すことができないというのが結論になってしまう。巻き込んでしまったのに何一つ分からず申し訳ない」
ヴァンはリュードたちに頭を下げた。国内の問題に外部のものを巻き込むことになってしまった。
それなのにいくら調査しても雲を掴むようで答えが出ない。
せめてこの国は安全で安心できると示したかったのにどうしてもそれが出来なかった。
「王様はまだ裏に何かこの事件を操っている者がいるとお考えですか?」
「……そうだ。ただそこに結論付けることは難しいし、多分出来ないだろう」
「悪魔せい……ですか」
「それも推測の域を出ない私の想像だ。だけど過去にあった出来事を見ると、悪魔ならば人の心に入り込み、卑怯な手で国を手に入れることをしそうだと思ったのだ」
「お父様……」
「済まないな、ラスト。お前にとっても安全だと言い切りたいのに、どうしても私はウソがつけないからな」
黒幕はいたのか。
いたのなら黒幕は誰だったのか。
そんな話を聞いては宰相が黒幕とはリュードも思えはなかった。
「悪魔……か」
悪魔の存在はいろんな書物に出てくる。
真魔大戦の裏には悪魔がいた、そんな話すらもある。
妙な薄気味の悪さばかりがある。
心にモヤっとしたものを残して、ティアローザにおける大事件は幕を閉じることになった。
進展と言ったけれどいえるのか甚だ疑問だと思いながらヴァンは言葉を続ける。
ティアローザの北側にある大きな湖。
そこで宰相は発見された。
他の失踪者と共に、死んだ状態で。
「不可解なのが宰相も含め、みな痩せ細った状態で見つかったのだ。まるで長い間監禁でもされていたようだった」
死因も分からない。
逃げるのにも十分な時間もあったのになぜまだ国内にいて、湖で死んでいたのか。
失踪直前までには健康な人たちだったのに湖で発見されるまでの間に異様にやせ細ってしまった原因はなんなのか。
解決されない謎ばかりが増えていく。
未だにこの問題の解決は出来ていない。
これからもこの問題に明確な答えが出ることはないだろうとヴァンは言った。
「他国の存在も疑ったが今私は隣の国とは良好な関係を築いている。むしろベギーオの方が真人族にやや強硬な態度を取っているのでわざわざベギーオを王にしたくて何か工作をしてくるとは思えない」
この異様な一連の出来事はなぜ起きたのか。
あまりにも狂っていておかしいことが続いている。
「悪魔……」
ヴァンは一つの可能性を口にした。
真人族だろうが魔人族だろうが支配しようとする欲深き存在である悪魔が関わっているかもしれないと考えた。
もしかしたら失踪していた人たちは悪魔にさらわれて、悪魔が成り代わっていた可能性すらあると思うのだ。
「何にしてもだ。この事件の調査は続けていくがいつまでもウダウダと続けるわけにはいかない。国内の平定が先た」
ヴァンは結論の出ない問題にため息をついた。
「ひとまず起きたことの説明はこれぐらいになる。結局結論は出すことができないというのが結論になってしまう。巻き込んでしまったのに何一つ分からず申し訳ない」
ヴァンはリュードたちに頭を下げた。国内の問題に外部のものを巻き込むことになってしまった。
それなのにいくら調査しても雲を掴むようで答えが出ない。
せめてこの国は安全で安心できると示したかったのにどうしてもそれが出来なかった。
「王様はまだ裏に何かこの事件を操っている者がいるとお考えですか?」
「……そうだ。ただそこに結論付けることは難しいし、多分出来ないだろう」
「悪魔せい……ですか」
「それも推測の域を出ない私の想像だ。だけど過去にあった出来事を見ると、悪魔ならば人の心に入り込み、卑怯な手で国を手に入れることをしそうだと思ったのだ」
「お父様……」
「済まないな、ラスト。お前にとっても安全だと言い切りたいのに、どうしても私はウソがつけないからな」
黒幕はいたのか。
いたのなら黒幕は誰だったのか。
そんな話を聞いては宰相が黒幕とはリュードも思えはなかった。
「悪魔……か」
悪魔の存在はいろんな書物に出てくる。
真魔大戦の裏には悪魔がいた、そんな話すらもある。
妙な薄気味の悪さばかりがある。
心にモヤっとしたものを残して、ティアローザにおける大事件は幕を閉じることになった。