クゼナの兄であるユゼナをクゼナの病気を利用して蹴落とさせ、プジャンを大領主の座につけた。
プジャンの地位を脅かすのはラストだと吹き込んで恨みを抱かせた。
王の器でないとわかっていたのでプジャンは最初ラストに対して大きな敵対心はなかった。
けれど煽れば自分の地位を守るために簡単にラストを敵視し始めたのである。
ベギーオは大領地を二つ手に入れたも同然だった。
ここまでお膳立てしてやった。
なのにプジャンは失敗した。
そしてペラフィランが実在していることもベキーオは把握していた。
そしてペラフィランには子供がいてそれを守ろうとしていることや手を出せば誰だろうと地の果てまで追いかけて殺すこともベギーオは知っている。
なぜ知っているのか、それは人からそう聞いたからだ。
ペラフィランを扇動させてラストを亡き者にする計画は完璧で失敗するはずなどないものだった。
けれど失敗した。
「この役立たずが!」
プジャンにさせたことは様々あったが最初で最後となる失敗。
どこで失敗したのかは知らないがプジャンのせいでとにかく最大のチャンスを逃したとベキーオは憤る。
実際のところはベギーオの作戦は成功していた。
ペラフィラン、もといモノランを扇動してラストにぶつける作戦はほとんど成功していたのだ。
ただ思うような結果にならなかった。
リュードという変数のおかげでモノランはラストを殺さなかった。
ベギーオもプジャンも知らない計画の破綻の原因はリュードだったのだ。
暗殺者たちも返り討ちにされ、モノランに関与がバレないようにしていて経過を確認することもできなかったために二人はただ失敗したとしか思っていなかった。
その失敗から全てが狂い出した。
プジャンもそこでラストが亡き者にできると思っていたので大人の試練で使えるダンジョンの名簿を工作もなくそのまんま国に提出した。
なのでラストに充てがわれたダンジョンは難易度も高くなかったのだ。
もしベギーオが関わっていたら厳しいダンジョンを攻略することになっていたかもしれないが、プジャンは一人でなんの計画も立てられなかったのである。
あっさりとラストはダンジョンをクリアしてプジャンの領地を離れてしまった。
「お前が成功していたらダンジョンブレイクが起きることもなかった! ダンジョンの難易度を上げようとしたせいであんなことになった……それはお前にも責任があるんだからな!」
どうせプジャンは自分で手を汚すことなく金で雇った奴にやらせようとしたに違いない。
そいつらが失敗してしまったのだと当時のベギーオも怒り心頭だった。
プジャンのところをうまく抜けてしまったのだが、続いてのバロワはベギーオにもコントロールできなかった。
バロワは謎の存在でラストに対して敵対心がない。
加えてベギーオたちに協力的でない。
それなのになぜなのか時々協力する姿勢はみせる。
ベギーオでもラストへの敵対心を植え付けることもできず操ることもできなかった。
協力してくる時もまるで他に目的でもあるようだった。
だからベギーオは焦った。
バロワのところはラストがクリアしてしまうだろうから自分でなんとかせねばならない。
ラストが大人の試練を乗り越えてしまうと自分が王になるための大きな障壁になる。
プジャンのように失敗した時の保険もかけていたベギーオは上手く高難度ダンジョンをぶつけることに成功した。
ただこれまでの実力を見るとダンジョンを攻略してしまう可能性がある。
ベギーオはダンジョンの難易度を上げようと画策した。
「……まさかあんなことになるとは」
ダンジョンは放置すると難易度が上がるものがほとんどである。
中にいる魔物が増えたり、強力になったりと長い時間魔物が倒されないままでいるとダンジョンの難易度は上がっていき、最終的にダンジョンブレイクを起こす。
そしてもう一つダンジョンが難しくなる要因があることをベギーオは知っていた。
実は前々からベギーオはスケルトンのダンジョンを死体の処理に利用していた。
邪魔な者を消し、ダンジョンに放り込む。
すると死体はいつの間にか消えていたからである。
しかしある時多くのものを処理したタイミングと少しダンジョンが攻略されなかった時期が重なった。
いつものようにと挑んだパーティーがデュラハンを倒しきれずに撤退してきた。
デュラハンがいつも以上に強く、スケルトンも多かったのである。
何回か攻略にも成功しているベテランパーティーの失敗の報告を受けたベギーオは冒険者ギルドと原因を調査した。
原因は分からず、より上のパーティーがなんとかデュラハンを倒すことで次からは普通の難易度に戻ったので調査は打ち切られた。
けれどベギーオだけはその原因に心当たりがあったのだ。
死体を放り込むとダンジョンの魔物が強化されるのではないか。
ボーンフィールドダンジョンに限ったことなのか、他のダンジョンでもそうなのかは不明だけど少なくともボーンフィールドダンジョンではそうだと気づいた。
大人の試練で使うので封鎖する必要もある。
何か手を加えるにもちょうどよかった。
ラストが大人の試練を乗り越えている。
過去最大となる五カ所もの試練に挑み、三つを終えた。
ラストにその意図がなくても周りはベギーオの対抗馬としてラストの存在を意識していた。
例え協力者がいても乗り越えた大人の試練は当人の実力の証明になってしまう。
プジャンの地位を脅かすのはラストだと吹き込んで恨みを抱かせた。
王の器でないとわかっていたのでプジャンは最初ラストに対して大きな敵対心はなかった。
けれど煽れば自分の地位を守るために簡単にラストを敵視し始めたのである。
ベギーオは大領地を二つ手に入れたも同然だった。
ここまでお膳立てしてやった。
なのにプジャンは失敗した。
そしてペラフィランが実在していることもベキーオは把握していた。
そしてペラフィランには子供がいてそれを守ろうとしていることや手を出せば誰だろうと地の果てまで追いかけて殺すこともベギーオは知っている。
なぜ知っているのか、それは人からそう聞いたからだ。
ペラフィランを扇動させてラストを亡き者にする計画は完璧で失敗するはずなどないものだった。
けれど失敗した。
「この役立たずが!」
プジャンにさせたことは様々あったが最初で最後となる失敗。
どこで失敗したのかは知らないがプジャンのせいでとにかく最大のチャンスを逃したとベキーオは憤る。
実際のところはベギーオの作戦は成功していた。
ペラフィラン、もといモノランを扇動してラストにぶつける作戦はほとんど成功していたのだ。
ただ思うような結果にならなかった。
リュードという変数のおかげでモノランはラストを殺さなかった。
ベギーオもプジャンも知らない計画の破綻の原因はリュードだったのだ。
暗殺者たちも返り討ちにされ、モノランに関与がバレないようにしていて経過を確認することもできなかったために二人はただ失敗したとしか思っていなかった。
その失敗から全てが狂い出した。
プジャンもそこでラストが亡き者にできると思っていたので大人の試練で使えるダンジョンの名簿を工作もなくそのまんま国に提出した。
なのでラストに充てがわれたダンジョンは難易度も高くなかったのだ。
もしベギーオが関わっていたら厳しいダンジョンを攻略することになっていたかもしれないが、プジャンは一人でなんの計画も立てられなかったのである。
あっさりとラストはダンジョンをクリアしてプジャンの領地を離れてしまった。
「お前が成功していたらダンジョンブレイクが起きることもなかった! ダンジョンの難易度を上げようとしたせいであんなことになった……それはお前にも責任があるんだからな!」
どうせプジャンは自分で手を汚すことなく金で雇った奴にやらせようとしたに違いない。
そいつらが失敗してしまったのだと当時のベギーオも怒り心頭だった。
プジャンのところをうまく抜けてしまったのだが、続いてのバロワはベギーオにもコントロールできなかった。
バロワは謎の存在でラストに対して敵対心がない。
加えてベギーオたちに協力的でない。
それなのになぜなのか時々協力する姿勢はみせる。
ベギーオでもラストへの敵対心を植え付けることもできず操ることもできなかった。
協力してくる時もまるで他に目的でもあるようだった。
だからベギーオは焦った。
バロワのところはラストがクリアしてしまうだろうから自分でなんとかせねばならない。
ラストが大人の試練を乗り越えてしまうと自分が王になるための大きな障壁になる。
プジャンのように失敗した時の保険もかけていたベギーオは上手く高難度ダンジョンをぶつけることに成功した。
ただこれまでの実力を見るとダンジョンを攻略してしまう可能性がある。
ベギーオはダンジョンの難易度を上げようと画策した。
「……まさかあんなことになるとは」
ダンジョンは放置すると難易度が上がるものがほとんどである。
中にいる魔物が増えたり、強力になったりと長い時間魔物が倒されないままでいるとダンジョンの難易度は上がっていき、最終的にダンジョンブレイクを起こす。
そしてもう一つダンジョンが難しくなる要因があることをベギーオは知っていた。
実は前々からベギーオはスケルトンのダンジョンを死体の処理に利用していた。
邪魔な者を消し、ダンジョンに放り込む。
すると死体はいつの間にか消えていたからである。
しかしある時多くのものを処理したタイミングと少しダンジョンが攻略されなかった時期が重なった。
いつものようにと挑んだパーティーがデュラハンを倒しきれずに撤退してきた。
デュラハンがいつも以上に強く、スケルトンも多かったのである。
何回か攻略にも成功しているベテランパーティーの失敗の報告を受けたベギーオは冒険者ギルドと原因を調査した。
原因は分からず、より上のパーティーがなんとかデュラハンを倒すことで次からは普通の難易度に戻ったので調査は打ち切られた。
けれどベギーオだけはその原因に心当たりがあったのだ。
死体を放り込むとダンジョンの魔物が強化されるのではないか。
ボーンフィールドダンジョンに限ったことなのか、他のダンジョンでもそうなのかは不明だけど少なくともボーンフィールドダンジョンではそうだと気づいた。
大人の試練で使うので封鎖する必要もある。
何か手を加えるにもちょうどよかった。
ラストが大人の試練を乗り越えている。
過去最大となる五カ所もの試練に挑み、三つを終えた。
ラストにその意図がなくても周りはベギーオの対抗馬としてラストの存在を意識していた。
例え協力者がいても乗り越えた大人の試練は当人の実力の証明になってしまう。