ティアローザに来た当初はまず国の中心にある首都に向かうつもりであった。
このティアローザの首都の名前はティアローザといって、国名と首都の名前が同じなのである。
ややこしいのだけどティアローザ国の首都ティアローザに行くのが本当の1番最初のリュードとルフォンの旅の予定だった。
それがその前にラストにあってこんな旅をすることになった。
まるでティアローザ国の国内周遊ツアーでもしているかのようにグルリと国内を回っているなとリュードはちょっとだけリュードは思っていた。
大領主のいる大都市も都合行くことになっていたのでメイン所を押さえた本当の旅行みたいに移動をしていた。
「ほお、ここがティアローザか」
「いろんな人がいるね」
これまで4つある大領地を全て巡ってきたことになる。
いよいよ次が最後となる、ティアローザ国の直轄地で首都ティアローザにリュードたちは来ていた。
これまでの大都市も当然賑わっていた。
賑わっているから大都市となったのだし大都市と言えるのだけど、首都はさらに1つ規模が大きい。
特に首都ティアローザに目的があったのではなくて来たかったものでもないが、いざ大きな都市に来て賑わいを見ると心が躍る。
紆余曲折があって相当回り道をしてここまで来たのだから感慨深くもある。
「えっとまずはお父様にご挨拶行こうか」
「俺たちも行っていいのか?」
「もちろん! むしろリュードは行かなきゃだめだよ」
ラストはまずお父様にご挨拶に会いに行くと言う。
ラストの父親とはすなわちティアローザ国の王様である。
国のトップに会うなんてこと恐れ多いし、面倒くさい。
親子水入らずで会ってくればいいと挨拶することを遠慮したリュードに、同行者として挨拶に伺わないのは失礼だとラストに言われて渋々リュードも挨拶に向かうことになった。
国王様といえば思い出すのはヘランドのドランダラスだ。
ドランダラスはかなりフランクな人柄で、リュードが必要なこともあって態度も良かった。
ただ本来なら王様なんて一般人のリュードが会っていい人でない。
貴族的な礼儀作法もリュードは全く分からない。
中には非常にプライドが高くて自分の気に入らないものにすぐに怒ってしまう王様もいるとかいないとか聞くこともある。
ラストの父親に限ってそんなことはないと信じたいけれども失礼な態度をとってしまって怒らせる可能性も考えられる。
「ドレスを買いに行こう!」
リュードが行くならルフォンも行く。
そしてまずは見た目から入ることが大事だとラストは言う。
いかに作法が完璧でも見た目が雑だと作法も見てはもらえない。
というラストの提案で王様に会いに行くのに相応しい服を買いに行くことになった。
「はぁ……」
男物はいつの時代も大きくは変わらない。
種類も多くなくてベーシックなものを選べばハズレはないので、問題は女性陣の方である。
流行りもあれば変わらぬものもある。
ほんの少しカラーが変わるだけでもガラリと印象が異なってくる。
デザインも男性のものよりも遥かに多い。
リュードはそんな買い物に付き合うことになった。
ヴィッツは治療薬を作るための設備のある場所を探すために一緒には来ておらず別行動となった。
「ここが私の行きつけなんだ」
リュードも服に関しては素人だからとヴィッツの方に行こうとしたのだけど2人に半ば無理矢理付き合わされてしまったのである。
曲がり無しにもラストは王族のお嬢様である。
ドレスを買うと言ってもそこらへんで適当に買うのではない。
ただのドレス店ではなく大きくて豪華なドレス店がラストの行きつけであった。
町の門よりも王城の方が近い一等地に店を構える、ルフォンとリュードにもすぐに高級店だと分かるお店にラストの案内で来ていた。
不安そうなルフォンがリュードに視線を送る。
「まあ、2、3着なら大丈夫だろう」
ルフォンの視線の意味をリュードも理解している。
若干の不安はあるけれどここは男の度量の見せ所となる。
つまりドレス代金大丈夫かという視線であった。
これまでも普段から散財はしないで時折ギルドでも依頼をこなしたり大きな問題を解決して色々お金ももらったりもした。
高級ドレスがいかほどのお値段のものなのか知らないけどルフォンのためならここでお金を使っても全く構わない。
ドレスなんてものの値段は青天井なものだけど払えない金額になることの方が珍しいはずだ。
今後使う予定もないお金ならここで使おう。
リュードはルフォンに頷き返した。
「いらっしゃいませ……あれ、ラスト……サキュルラスト領主様じゃ、ではありませんか」
「やだなー、ラストでいいって、ビューラ」
店に入ると迎えてくれたのは血人族の女性であった。
ラストを見てやや垂れた目を大きく見開いて驚いていた。
入った時に見せていたいかにも高級店店員なすまし顔が一瞬で崩れてしまった。
「今日はお父様に会うためのドレスを買いに来たんだ! この子も一緒だからよろしくね!」
「えっと、あ、はい。かしこまりました」
「もう、そんなに固くならないでよ。ビューラは私の友達だし、ルフォンも私の友達。友達の友達で友達でいいし、店員だけど友達だからいつも通りでいいじゃん!」
ビューラという女性はラストの数少ない友達であった。
このドレス店を営む夫婦の娘で、このお店は昔から高級店で王城への出入りもあった。
ラストもお店に来たことも何度もあった。
その時に少し年上でお化粧やなんかを教えてくれたビューラとラストは仲良くなったのであった。
このティアローザの首都の名前はティアローザといって、国名と首都の名前が同じなのである。
ややこしいのだけどティアローザ国の首都ティアローザに行くのが本当の1番最初のリュードとルフォンの旅の予定だった。
それがその前にラストにあってこんな旅をすることになった。
まるでティアローザ国の国内周遊ツアーでもしているかのようにグルリと国内を回っているなとリュードはちょっとだけリュードは思っていた。
大領主のいる大都市も都合行くことになっていたのでメイン所を押さえた本当の旅行みたいに移動をしていた。
「ほお、ここがティアローザか」
「いろんな人がいるね」
これまで4つある大領地を全て巡ってきたことになる。
いよいよ次が最後となる、ティアローザ国の直轄地で首都ティアローザにリュードたちは来ていた。
これまでの大都市も当然賑わっていた。
賑わっているから大都市となったのだし大都市と言えるのだけど、首都はさらに1つ規模が大きい。
特に首都ティアローザに目的があったのではなくて来たかったものでもないが、いざ大きな都市に来て賑わいを見ると心が躍る。
紆余曲折があって相当回り道をしてここまで来たのだから感慨深くもある。
「えっとまずはお父様にご挨拶行こうか」
「俺たちも行っていいのか?」
「もちろん! むしろリュードは行かなきゃだめだよ」
ラストはまずお父様にご挨拶に会いに行くと言う。
ラストの父親とはすなわちティアローザ国の王様である。
国のトップに会うなんてこと恐れ多いし、面倒くさい。
親子水入らずで会ってくればいいと挨拶することを遠慮したリュードに、同行者として挨拶に伺わないのは失礼だとラストに言われて渋々リュードも挨拶に向かうことになった。
国王様といえば思い出すのはヘランドのドランダラスだ。
ドランダラスはかなりフランクな人柄で、リュードが必要なこともあって態度も良かった。
ただ本来なら王様なんて一般人のリュードが会っていい人でない。
貴族的な礼儀作法もリュードは全く分からない。
中には非常にプライドが高くて自分の気に入らないものにすぐに怒ってしまう王様もいるとかいないとか聞くこともある。
ラストの父親に限ってそんなことはないと信じたいけれども失礼な態度をとってしまって怒らせる可能性も考えられる。
「ドレスを買いに行こう!」
リュードが行くならルフォンも行く。
そしてまずは見た目から入ることが大事だとラストは言う。
いかに作法が完璧でも見た目が雑だと作法も見てはもらえない。
というラストの提案で王様に会いに行くのに相応しい服を買いに行くことになった。
「はぁ……」
男物はいつの時代も大きくは変わらない。
種類も多くなくてベーシックなものを選べばハズレはないので、問題は女性陣の方である。
流行りもあれば変わらぬものもある。
ほんの少しカラーが変わるだけでもガラリと印象が異なってくる。
デザインも男性のものよりも遥かに多い。
リュードはそんな買い物に付き合うことになった。
ヴィッツは治療薬を作るための設備のある場所を探すために一緒には来ておらず別行動となった。
「ここが私の行きつけなんだ」
リュードも服に関しては素人だからとヴィッツの方に行こうとしたのだけど2人に半ば無理矢理付き合わされてしまったのである。
曲がり無しにもラストは王族のお嬢様である。
ドレスを買うと言ってもそこらへんで適当に買うのではない。
ただのドレス店ではなく大きくて豪華なドレス店がラストの行きつけであった。
町の門よりも王城の方が近い一等地に店を構える、ルフォンとリュードにもすぐに高級店だと分かるお店にラストの案内で来ていた。
不安そうなルフォンがリュードに視線を送る。
「まあ、2、3着なら大丈夫だろう」
ルフォンの視線の意味をリュードも理解している。
若干の不安はあるけれどここは男の度量の見せ所となる。
つまりドレス代金大丈夫かという視線であった。
これまでも普段から散財はしないで時折ギルドでも依頼をこなしたり大きな問題を解決して色々お金ももらったりもした。
高級ドレスがいかほどのお値段のものなのか知らないけどルフォンのためならここでお金を使っても全く構わない。
ドレスなんてものの値段は青天井なものだけど払えない金額になることの方が珍しいはずだ。
今後使う予定もないお金ならここで使おう。
リュードはルフォンに頷き返した。
「いらっしゃいませ……あれ、ラスト……サキュルラスト領主様じゃ、ではありませんか」
「やだなー、ラストでいいって、ビューラ」
店に入ると迎えてくれたのは血人族の女性であった。
ラストを見てやや垂れた目を大きく見開いて驚いていた。
入った時に見せていたいかにも高級店店員なすまし顔が一瞬で崩れてしまった。
「今日はお父様に会うためのドレスを買いに来たんだ! この子も一緒だからよろしくね!」
「えっと、あ、はい。かしこまりました」
「もう、そんなに固くならないでよ。ビューラは私の友達だし、ルフォンも私の友達。友達の友達で友達でいいし、店員だけど友達だからいつも通りでいいじゃん!」
ビューラという女性はラストの数少ない友達であった。
このドレス店を営む夫婦の娘で、このお店は昔から高級店で王城への出入りもあった。
ラストもお店に来たことも何度もあった。
その時に少し年上でお化粧やなんかを教えてくれたビューラとラストは仲良くなったのであった。