「で、これをどうしたらいいんだ?」
単純に破壊すればそれで終わるものなのか。
必死になっているデュラハンを見れば頭をどうにかすればいいことは分かるのだけど単に壊せばいいものかと首を傾げる。
ダンジョンが閉鎖されていたのでデュラハンまで討伐するような高ランクパーティーもいなかった。
いたらデュラハンの弱点ぐらい聞けることができたのだろうが、今回はさらっとしたデュラハンの情報しか聞けなかった。
デュラハンを倒すのにどうしたらいいのかという知識はリュードの中にもなかった。
とりあえず聖水をかけた剣でぶった切ってみてまだ動くようなら考えようと思った。
「んじゃこうしてみれば?」
もっと手っ取り早い方法があるとラストは聖水の瓶の蓋を開けるとデュラハンの頭にふりかけた。
アンデット系の魔物には聖水を直接振りかけても効果がある。
むしろ聖水を直接かけられるのならその方が効果は高い。
効率の悪い方法なので行うことは少ないけれど動けないデュラハン相手なら剣にふりかけて使うよりも効果がある。
「アッツ!」
「えっ、ごめん!」
ラストがデュラハンの頭に聖水をかけるとカタカタと震え出した。
反応があるので効果があるとラストは惜しげもなくデュラハンの頭に聖水をかけ続けた。
すると突然デュラハンの頭が熱くなった。
持っていられないほどの熱を発し、リュードはデュラハンの頭を放り投げた。
「だ、大丈夫?」
「なんなんだ……危ない!」
デュラハンの頭は大きく振動している。
その異常な様子を見てリュードは危険を察知した。
ラストがまた聖水を振りかけようと取り出して蓋を開けた時、振動していたデュラハンの頭がピタリと止まった。
ヤバいと思ったリュードは咄嗟にラストに覆いかぶさるようにして地面に伏せた。
『デュラハンの頭にはな、聖水をかけちゃいけないんだぜ。なぜなのか誰も知らんが聖水をかけるとな、デュラハンの頭は大爆発を起こすんだ。リスク覚悟で手早く倒したいなら試してもいいかもしれんがな!』
全てが終わった後にそんな話を聞いた。
現段階ではそんなことを知る由もないラストは安易にデュラハンの頭に聖水をかけてしまった。
リュードも知らなかったのでナイスアイデアと思っていた。
「うっ!」
デュラハンの頭が爆発した。
聖水をかけたから爆発したのではなく、最後の抵抗だとすら思っていた。
黒い魔力を撒き散らし同じく黒色の煙が上がって、頭があった周りには小さいクレーターが出来ていた。
「いてて……」
「リュード! 大丈夫!?」
「背中が……ちょっと痛いかな。 せっかく服も破けないようにしてたのにな……」
竜人化の解けたリュードは苦々しく笑う。
爆発の衝撃と痛みで魔人化を維持できなくなってしまった。
ただ魔人化した丈夫な体は爆発に耐えてくれ、背中に痛々しい火傷を負っただけで済んだ。
リュードが魔人化していなかったらそのまま爆発で死んでいたかもしれない。
丈夫な竜人の体に感謝である。
竜人化しても破れないようにと大きめサイズの服を着ていたのだけど、結局背中部分が爆発で消し飛んでダメになってしまった。
ラストもリュードが守ってくれたのでケガはなかった。
押し倒された時リュードの顔が近くにあってドキドキしていたぐらいだった。
「う……よいしょ。押し倒して済まなかったな。ケガはないか?」
痛む背中をおしてリュードが立ち上がって再びラストに手を差し出す。
リュードが無事ではなさそうなので今度はあまり手に力をかけることなく立ち上がる。
「ううん、特にケガはないかな。ちょっと背中が……」
「背中? 背中がどうかしたか?」
「……うぇっ、うん、何でもない! 大丈夫、ケガもないし背中も何でもないよ!」
「そうか? それならいいんだけど。……スケルトンが消えていくな」
スケルトンたちが魔力の粒子となって消えていく。
ダンジョンのボスデュラハンを倒したのでダンジョンブレイクが終了したのだ。
ダンジョンブレイクで出てきた魔物は普通の魔物と変わりがなく、魔力の粒子となって消えるものではない。
けれどダンジョンから出てきたばかりの魔物はまだダンジョンと繋がりが残っていて完全に野生の魔物とはなっていないのである。
ダンジョン周りにいたスケルトンたちはダンジョンからまだ出てきて時間が浅かったのでダンジョンに還っていく。
「リューちゃーん!
終わった?」
「ああ、こっちは終わった!」
それでもブレイクから時間が経って野生と同じようになっているために残っているスケルトンはいる。
ルフォンはスケルトンの異常を見てリュードたちが勝ったことを察してヴィッツに任せて状況確認に来た。
デュラハンはいない。
2人は無事に立っている。
実はリュードの背中はぼろぼろだけどルフォンから見えていなかった。
「リューちゃん!」
「ルフォン、やったぞ!」
「さすがリューちゃん!」
「ああ、でもまだ終わりじゃない! ルフォン、ラスト、残りのスケルトンを片付けるぞ!」
「分かった!」
「でも私武器持ってないよ?」
「ほれ、俺の予備の剣だ」
リュードはマジックボックスの袋の中から予備で持っていた普通の鉄で作られた剣を取り出してラストに渡す。
リュードに合わせたものじゃなく普通の剣である。
「もう邪魔する奴もいないし剣ぐらい使ってもいいんじゃないかな?」
「……そうだね!」
単純に破壊すればそれで終わるものなのか。
必死になっているデュラハンを見れば頭をどうにかすればいいことは分かるのだけど単に壊せばいいものかと首を傾げる。
ダンジョンが閉鎖されていたのでデュラハンまで討伐するような高ランクパーティーもいなかった。
いたらデュラハンの弱点ぐらい聞けることができたのだろうが、今回はさらっとしたデュラハンの情報しか聞けなかった。
デュラハンを倒すのにどうしたらいいのかという知識はリュードの中にもなかった。
とりあえず聖水をかけた剣でぶった切ってみてまだ動くようなら考えようと思った。
「んじゃこうしてみれば?」
もっと手っ取り早い方法があるとラストは聖水の瓶の蓋を開けるとデュラハンの頭にふりかけた。
アンデット系の魔物には聖水を直接振りかけても効果がある。
むしろ聖水を直接かけられるのならその方が効果は高い。
効率の悪い方法なので行うことは少ないけれど動けないデュラハン相手なら剣にふりかけて使うよりも効果がある。
「アッツ!」
「えっ、ごめん!」
ラストがデュラハンの頭に聖水をかけるとカタカタと震え出した。
反応があるので効果があるとラストは惜しげもなくデュラハンの頭に聖水をかけ続けた。
すると突然デュラハンの頭が熱くなった。
持っていられないほどの熱を発し、リュードはデュラハンの頭を放り投げた。
「だ、大丈夫?」
「なんなんだ……危ない!」
デュラハンの頭は大きく振動している。
その異常な様子を見てリュードは危険を察知した。
ラストがまた聖水を振りかけようと取り出して蓋を開けた時、振動していたデュラハンの頭がピタリと止まった。
ヤバいと思ったリュードは咄嗟にラストに覆いかぶさるようにして地面に伏せた。
『デュラハンの頭にはな、聖水をかけちゃいけないんだぜ。なぜなのか誰も知らんが聖水をかけるとな、デュラハンの頭は大爆発を起こすんだ。リスク覚悟で手早く倒したいなら試してもいいかもしれんがな!』
全てが終わった後にそんな話を聞いた。
現段階ではそんなことを知る由もないラストは安易にデュラハンの頭に聖水をかけてしまった。
リュードも知らなかったのでナイスアイデアと思っていた。
「うっ!」
デュラハンの頭が爆発した。
聖水をかけたから爆発したのではなく、最後の抵抗だとすら思っていた。
黒い魔力を撒き散らし同じく黒色の煙が上がって、頭があった周りには小さいクレーターが出来ていた。
「いてて……」
「リュード! 大丈夫!?」
「背中が……ちょっと痛いかな。 せっかく服も破けないようにしてたのにな……」
竜人化の解けたリュードは苦々しく笑う。
爆発の衝撃と痛みで魔人化を維持できなくなってしまった。
ただ魔人化した丈夫な体は爆発に耐えてくれ、背中に痛々しい火傷を負っただけで済んだ。
リュードが魔人化していなかったらそのまま爆発で死んでいたかもしれない。
丈夫な竜人の体に感謝である。
竜人化しても破れないようにと大きめサイズの服を着ていたのだけど、結局背中部分が爆発で消し飛んでダメになってしまった。
ラストもリュードが守ってくれたのでケガはなかった。
押し倒された時リュードの顔が近くにあってドキドキしていたぐらいだった。
「う……よいしょ。押し倒して済まなかったな。ケガはないか?」
痛む背中をおしてリュードが立ち上がって再びラストに手を差し出す。
リュードが無事ではなさそうなので今度はあまり手に力をかけることなく立ち上がる。
「ううん、特にケガはないかな。ちょっと背中が……」
「背中? 背中がどうかしたか?」
「……うぇっ、うん、何でもない! 大丈夫、ケガもないし背中も何でもないよ!」
「そうか? それならいいんだけど。……スケルトンが消えていくな」
スケルトンたちが魔力の粒子となって消えていく。
ダンジョンのボスデュラハンを倒したのでダンジョンブレイクが終了したのだ。
ダンジョンブレイクで出てきた魔物は普通の魔物と変わりがなく、魔力の粒子となって消えるものではない。
けれどダンジョンから出てきたばかりの魔物はまだダンジョンと繋がりが残っていて完全に野生の魔物とはなっていないのである。
ダンジョン周りにいたスケルトンたちはダンジョンからまだ出てきて時間が浅かったのでダンジョンに還っていく。
「リューちゃーん!
終わった?」
「ああ、こっちは終わった!」
それでもブレイクから時間が経って野生と同じようになっているために残っているスケルトンはいる。
ルフォンはスケルトンの異常を見てリュードたちが勝ったことを察してヴィッツに任せて状況確認に来た。
デュラハンはいない。
2人は無事に立っている。
実はリュードの背中はぼろぼろだけどルフォンから見えていなかった。
「リューちゃん!」
「ルフォン、やったぞ!」
「さすがリューちゃん!」
「ああ、でもまだ終わりじゃない! ルフォン、ラスト、残りのスケルトンを片付けるぞ!」
「分かった!」
「でも私武器持ってないよ?」
「ほれ、俺の予備の剣だ」
リュードはマジックボックスの袋の中から予備で持っていた普通の鉄で作られた剣を取り出してラストに渡す。
リュードに合わせたものじゃなく普通の剣である。
「もう邪魔する奴もいないし剣ぐらい使ってもいいんじゃないかな?」
「……そうだね!」