どの道他に方法はない。
最後の希望をリュードに任せてみようと思った。
「ではまず魔物の数を減らしましょう。モノラン……神獣と俺たちはギルド裏側をやりますので冒険者たちで表側の方を頼みます」
「承知した。みんな、スケルトンを片付けるぞ!」
「モノラン、この建物の裏側の魔物を頼む」
「わかりました」
冒険者たちがギルドから飛び出してスケルトンと戦い始めて、モノランはギルド裏に回る。
リュードたちはモノランと一緒に遊撃部隊として戦う。
モノランが大雑把に敵の数を減らしていき、リュードたちが討ち漏らしたスケルトンを倒すというざっくりとした作戦で戦う。
「行きますよ!」
派手に音を立てるようにモノランが雷を落とす。
冒険者たちは表側で戦ってみるので見えないが音でモノランが暴れていると分かる。
それに戦えない組の人たちは冒険者ギルドの窓から活躍を見ていてくれる。
派手に印象に残るように活躍すればきっとモノランのことは話としても広まるだろう。
「ルフォン、ラスト、道を切り開いてくれ」
「任せて!」
「退きなさい!」
ルフォンとラストで攻勢を強めてスケルトンを一気に倒す。
そうして空いた所を通ってリュードがスケルトンメイジを切り倒した。
「この調子でいくぞ!」
モノランが敵の数を減らしてくれると戦場の様子が見えるようになって、スケルトンの上位種であるスケルトンナイトやスケルトンメイジといった存在がいることも把握できてきた。
これからの戦闘の時に上位種が残っていると厄介であるので見つけたら先に倒してしまってうことにした。
特にスケルトンメイジのような遠距離から攻撃してくる敵は優先して倒しておくのが事故を防ぐためである。
冒険者たちは防御魔法の中に出入りを繰り返してスケルトンと戦い続け、モノランはそんな冒険者たちに力を見せつけるようにスケルトンを殲滅していった。
前足の一振りでも何体ものスケルトンが吹き飛んでいき、逆にスケルトンの攻撃ごときではモノランは傷付けられなかった。
みんなの必死の戦いによって目に見えてスケルトンの数は減ってきていた。
変わらないように見えても諦めずに戦い続けて着実に減らしてきた結果が出てきたのだ。
まだ軍勢と言ってもいいほどの数は残っているのだけれど、一面隙間なくいたスケルトンたちの補充が遅れてきて空白ができ始めていた。
冒険者とモノランが前に出て戦ってくれたので防御魔法にかかってくるスケルトンの圧力も減って、神聖力の消費が抑えられて想定していたよりも長く防御魔法を展開していられそうだった。
「昼飯にポーションか……」
「でもいつものマズイ店よりは確実に高いぞ」
「そうだな」
戦い続けて日が昇り、いつしか昼時になっていた。
酒場が併設されているので料理ができないこともないが今はみんな疲労していた。
お昼代わりというおかしいけれどギルドが貯めている非常用の高級ポーションがみんなに配られた。
ケガや体力を回復させるポーションと魔力を回復させるポーションがあってみんな少しずつ飲んでいる。
正直に言ってポーションは美味しいものじゃない。
けど最後の晩餐にはふさわしいぐらい高価なものではあった。
「美味しいじゃん!」
「あんがと」
「さすがリューちゃん」
「非常に飲みやすいですね。リュードさんのお店があったら遠くても買いに行くぐらいです」
リュードたちはリュード手製のポーションを飲んで体力回復を図る。
効果として大きく変わらないのに普通のポーションのような不味さはない。
多少作り方は込み入っているけれど作って売ればヴィッツの言うように欲しい人はいるぐらいのものである。
だってポーションって基本的にクソ不味いから。
「ジグーズさん、俺たちそろそろ行こうと思っています」
「分かりました。……ご武運をお祈りしてます」
「勝って帰ってきますよ」
もう安心とまで言えないが、デュラハンと戦うなら今を置いて他にない。
アンデッド系の魔物は昼になると能力が落ちる。
日が高い今が1番デュラハンも弱いタイミングなのである。
「モノラン、背中に乗せてくれないか?」
「どうぞ」
だいぶ魔法を使ってスケルトンを殲滅していたモノランも魔力節約モードになって前足薙ぎ払いで戦っていた。
序盤にスケルトンナイトやスケルトンメイジを片付けて脅威を取り除いておいたのでモノランは気兼ねなく魔法なしでも戦えていた。
まだスケルトンは多いがかなりスカスカになっている。
残った人で倒し切るのも難しいかもしれないが、聖職者たちの負担も相当軽くなったので今しばらく保てるぐらいになっていた。
「みんなも乗せていいか?」
「う? ……それはリュードのお願いですか?」
「うん、頼むよ」
「……しょうがないですね、リュード以外は乗せないのですが特別です」
「助かるよ。みんな、乗るんだ!」
「しっかり掴まっていてくださいね。リュード以外は落ちても知りませんから」
モノランが跳び上がる。
建物の上に着地する。
次々と建物の上をジャンプして町中を移動していき、北門のある城壁の上を飛び越える。
町の外にいるスケルトンはすっかりまばらになっている。
ダンジョンから向かってくるスケルトンもそれほど多くはない。
いくらなんでも工場のようにスケルトンが無限に生み出され続けているのではなかった。
もうそんなにスケルトンもいないのかもしれないとリュードは思った。
少しだけ希望を大きくしたリュードたちを乗せてモノランは走る。
勢いのあるモノランにぶつかるだけでもスケルトンは砕けていく。
北門からまっすぐ北上していくとそこにダンジョンがある。
ダンジョン手前にある小高い丘の上、そこにデュラハンがいた。
最後の希望をリュードに任せてみようと思った。
「ではまず魔物の数を減らしましょう。モノラン……神獣と俺たちはギルド裏側をやりますので冒険者たちで表側の方を頼みます」
「承知した。みんな、スケルトンを片付けるぞ!」
「モノラン、この建物の裏側の魔物を頼む」
「わかりました」
冒険者たちがギルドから飛び出してスケルトンと戦い始めて、モノランはギルド裏に回る。
リュードたちはモノランと一緒に遊撃部隊として戦う。
モノランが大雑把に敵の数を減らしていき、リュードたちが討ち漏らしたスケルトンを倒すというざっくりとした作戦で戦う。
「行きますよ!」
派手に音を立てるようにモノランが雷を落とす。
冒険者たちは表側で戦ってみるので見えないが音でモノランが暴れていると分かる。
それに戦えない組の人たちは冒険者ギルドの窓から活躍を見ていてくれる。
派手に印象に残るように活躍すればきっとモノランのことは話としても広まるだろう。
「ルフォン、ラスト、道を切り開いてくれ」
「任せて!」
「退きなさい!」
ルフォンとラストで攻勢を強めてスケルトンを一気に倒す。
そうして空いた所を通ってリュードがスケルトンメイジを切り倒した。
「この調子でいくぞ!」
モノランが敵の数を減らしてくれると戦場の様子が見えるようになって、スケルトンの上位種であるスケルトンナイトやスケルトンメイジといった存在がいることも把握できてきた。
これからの戦闘の時に上位種が残っていると厄介であるので見つけたら先に倒してしまってうことにした。
特にスケルトンメイジのような遠距離から攻撃してくる敵は優先して倒しておくのが事故を防ぐためである。
冒険者たちは防御魔法の中に出入りを繰り返してスケルトンと戦い続け、モノランはそんな冒険者たちに力を見せつけるようにスケルトンを殲滅していった。
前足の一振りでも何体ものスケルトンが吹き飛んでいき、逆にスケルトンの攻撃ごときではモノランは傷付けられなかった。
みんなの必死の戦いによって目に見えてスケルトンの数は減ってきていた。
変わらないように見えても諦めずに戦い続けて着実に減らしてきた結果が出てきたのだ。
まだ軍勢と言ってもいいほどの数は残っているのだけれど、一面隙間なくいたスケルトンたちの補充が遅れてきて空白ができ始めていた。
冒険者とモノランが前に出て戦ってくれたので防御魔法にかかってくるスケルトンの圧力も減って、神聖力の消費が抑えられて想定していたよりも長く防御魔法を展開していられそうだった。
「昼飯にポーションか……」
「でもいつものマズイ店よりは確実に高いぞ」
「そうだな」
戦い続けて日が昇り、いつしか昼時になっていた。
酒場が併設されているので料理ができないこともないが今はみんな疲労していた。
お昼代わりというおかしいけれどギルドが貯めている非常用の高級ポーションがみんなに配られた。
ケガや体力を回復させるポーションと魔力を回復させるポーションがあってみんな少しずつ飲んでいる。
正直に言ってポーションは美味しいものじゃない。
けど最後の晩餐にはふさわしいぐらい高価なものではあった。
「美味しいじゃん!」
「あんがと」
「さすがリューちゃん」
「非常に飲みやすいですね。リュードさんのお店があったら遠くても買いに行くぐらいです」
リュードたちはリュード手製のポーションを飲んで体力回復を図る。
効果として大きく変わらないのに普通のポーションのような不味さはない。
多少作り方は込み入っているけれど作って売ればヴィッツの言うように欲しい人はいるぐらいのものである。
だってポーションって基本的にクソ不味いから。
「ジグーズさん、俺たちそろそろ行こうと思っています」
「分かりました。……ご武運をお祈りしてます」
「勝って帰ってきますよ」
もう安心とまで言えないが、デュラハンと戦うなら今を置いて他にない。
アンデッド系の魔物は昼になると能力が落ちる。
日が高い今が1番デュラハンも弱いタイミングなのである。
「モノラン、背中に乗せてくれないか?」
「どうぞ」
だいぶ魔法を使ってスケルトンを殲滅していたモノランも魔力節約モードになって前足薙ぎ払いで戦っていた。
序盤にスケルトンナイトやスケルトンメイジを片付けて脅威を取り除いておいたのでモノランは気兼ねなく魔法なしでも戦えていた。
まだスケルトンは多いがかなりスカスカになっている。
残った人で倒し切るのも難しいかもしれないが、聖職者たちの負担も相当軽くなったので今しばらく保てるぐらいになっていた。
「みんなも乗せていいか?」
「う? ……それはリュードのお願いですか?」
「うん、頼むよ」
「……しょうがないですね、リュード以外は乗せないのですが特別です」
「助かるよ。みんな、乗るんだ!」
「しっかり掴まっていてくださいね。リュード以外は落ちても知りませんから」
モノランが跳び上がる。
建物の上に着地する。
次々と建物の上をジャンプして町中を移動していき、北門のある城壁の上を飛び越える。
町の外にいるスケルトンはすっかりまばらになっている。
ダンジョンから向かってくるスケルトンもそれほど多くはない。
いくらなんでも工場のようにスケルトンが無限に生み出され続けているのではなかった。
もうそんなにスケルトンもいないのかもしれないとリュードは思った。
少しだけ希望を大きくしたリュードたちを乗せてモノランは走る。
勢いのあるモノランにぶつかるだけでもスケルトンは砕けていく。
北門からまっすぐ北上していくとそこにダンジョンがある。
ダンジョン手前にある小高い丘の上、そこにデュラハンがいた。