そんな風にルフォンは魔物を見たことはないのだけれどリュードはそんな風に魔物を見ている。
これも前世の影響、転生したことが関わっている。
生まれた時から魔物は敵で恐ろしい存在であるとこの世界の人は認識を持っている。
脅威になりうるし倒すことが必要になるのでどんな姿であれあまり良い印象で見ることがない。
リュードは前の記憶があるので魔物相手であってもどこか動物的な感覚でも魔物を見ていた。
そもそも世界が違っていても生き物のフォルムはそんなに大きく変わらず、向こうの世界での動物チックな見た目をした魔物も非常に多かった。
イタチと聞いてリュードは地球でのイタチをふわりとイメージした。
割とデカい生き物が好きだったリュードはデカいイタチは可愛いのではないかと思っているのだ。
リュードがそんな、この世界では変な思考を持っていることはルフォンは承知している。
真面目な顔して何を考えているのかお見通しである。
魔物になんか嫉妬しない。
でも最近めっきりと頭を撫でてもらう機会が減って気がしていたと考えていた。
以前はもっと気軽に撫でてくれていたけどルフォンもなんだか少し照れ臭く思えてきて、前ほど積極的にいけなくなってしまった。
嫉妬じゃないけど黒くて可愛いのならここにいる。
思いつきに身を任せて頭を差し出してみたはいいものの、なんだかとても恥ずかしかった。
「……確かにそうだな」
流石に可愛くても魔物では撫でられない。
チャンスがあれば試してみたい気もするけどケガのリスクを負ってまで試す気はない。
それに身近にこんな風に撫でて欲しがる可愛い子がいるのだ、十分ではないか。
リュードはルフォンの気持ちを察して頭を撫でる。
そういえば最近こんな風にはしていなかったなと思う。
歩幅を合わせて歩きながらケモミミを巻き込むようにゆっくりと撫でる。
髪の部分とケモミミの部分では手触りが違う。
どちらも撫でていて心地が良く、2つの感触があって飽きがこない。
「…………」
「私が撫でて差し上げましょうか」
「なんでよ!」
「昔はよくそうしておりましたではありませんか」
「ちっちゃい頃の話でしょ!」
「そうでございますが、今お撫でしてもおかしくはありません。なんならリュード様にお頼み申してはいかがですか?」
「な、何言ってるのよ!」
そんなリュードとルフォンの様子をじっと見つめるラスト。
その視線の感情がなんなのかはラスト自身にはわかっていないがヴィッツには分かった。
ヴィッツから見ればリュードはだいぶ小慣れているように見える。
言えばさらりと撫でてくれるのではないか、なんてことも思う。
仲睦まじい2人を見ているとヴィッツも愛しい人に会いたい感情が湧いてくるような気分だった。
「ここに焚き火の跡があるな。もういい時間だしここにするか」
変わり映えのしない景色だが日だけはどうしても移動して落ちてくるものだ。
そろそろ野宿するための場所を考えなきゃいけないところだった。
ただずっと緩やかに坂になっていてために寝るにはあまりふさわしくなく、どこかいいところでもないかと探していた。
まず目に入ったのは黒く焼けた地面だった。
過去に誰かが焚き火をした跡。
他の人も同じようにそうしてきたのではっきりと跡が残っていた。
そこだけ狭いけど平らになっていて、みんなおそらくこの場所で一夜を過ごしてきたのだろう。
少しばかり早い時間ではあるがこの先に平らな場所があるとは限らない。
無理をして進むよりも確実なところで判断を下すことも旅には必要である。
「山の上だからか少し冷えるね」
昼間は暖かいし動いているのでそれほどでもなかったが
、夜になって気温が下がってきて動かなくなると寒さを感じ始めた。
ラストが膝を寄せて焚き火に手をかざす。
「リューちゃん大丈夫?」
「まだこれぐらいなら平気だよ」
リュードは寒さに弱い。
竜人族全体が寒さに強くない種族なのである。
もちろんそのことも知っているルフォンはピタリとリュードにくっつく。
昔は寒い時にルフォンは良くリュードにくっついていた。
人狼族は体温が高めで寒さに強い。
逆に暑さに弱いのだけど魔人化した姿の影響が普段の姿にも多少表れているのだ。
ルフォンはリュードに近づきたい。
リュードは寒いので温かいルフォンがそばにいるとありがたい。
ウィンウィンなのである。
見ているとまたヴィッツに冷やかされそうなのでラストはリュードたちの方を見ないで焚き火を見つめていた。
「危ない!」
ヴィッツがラストの前に手を伸ばした。
その指の間にはナイフ。
暗くなってきたどこからかラストに向けてナイフが飛んできた。
それをヴィッツがいち早く察してキャッチしていたのだ。
敵襲。
各々が武器を取り、焚き火を背にするように周りを警戒する。
「敵は3人、散らばっております」
血人族も人狼族と同じく闇に強い一族。
リュードは暗くなった周りの様子があまり分かっていないがリュード以外の3人には周りの様子が見えていた。
敵の気配は感じるが黒い格好をしている敵の姿は闇に溶け込んでいてリュードの目には映らない。
「来ます、気をつけてください!」
これも前世の影響、転生したことが関わっている。
生まれた時から魔物は敵で恐ろしい存在であるとこの世界の人は認識を持っている。
脅威になりうるし倒すことが必要になるのでどんな姿であれあまり良い印象で見ることがない。
リュードは前の記憶があるので魔物相手であってもどこか動物的な感覚でも魔物を見ていた。
そもそも世界が違っていても生き物のフォルムはそんなに大きく変わらず、向こうの世界での動物チックな見た目をした魔物も非常に多かった。
イタチと聞いてリュードは地球でのイタチをふわりとイメージした。
割とデカい生き物が好きだったリュードはデカいイタチは可愛いのではないかと思っているのだ。
リュードがそんな、この世界では変な思考を持っていることはルフォンは承知している。
真面目な顔して何を考えているのかお見通しである。
魔物になんか嫉妬しない。
でも最近めっきりと頭を撫でてもらう機会が減って気がしていたと考えていた。
以前はもっと気軽に撫でてくれていたけどルフォンもなんだか少し照れ臭く思えてきて、前ほど積極的にいけなくなってしまった。
嫉妬じゃないけど黒くて可愛いのならここにいる。
思いつきに身を任せて頭を差し出してみたはいいものの、なんだかとても恥ずかしかった。
「……確かにそうだな」
流石に可愛くても魔物では撫でられない。
チャンスがあれば試してみたい気もするけどケガのリスクを負ってまで試す気はない。
それに身近にこんな風に撫でて欲しがる可愛い子がいるのだ、十分ではないか。
リュードはルフォンの気持ちを察して頭を撫でる。
そういえば最近こんな風にはしていなかったなと思う。
歩幅を合わせて歩きながらケモミミを巻き込むようにゆっくりと撫でる。
髪の部分とケモミミの部分では手触りが違う。
どちらも撫でていて心地が良く、2つの感触があって飽きがこない。
「…………」
「私が撫でて差し上げましょうか」
「なんでよ!」
「昔はよくそうしておりましたではありませんか」
「ちっちゃい頃の話でしょ!」
「そうでございますが、今お撫でしてもおかしくはありません。なんならリュード様にお頼み申してはいかがですか?」
「な、何言ってるのよ!」
そんなリュードとルフォンの様子をじっと見つめるラスト。
その視線の感情がなんなのかはラスト自身にはわかっていないがヴィッツには分かった。
ヴィッツから見ればリュードはだいぶ小慣れているように見える。
言えばさらりと撫でてくれるのではないか、なんてことも思う。
仲睦まじい2人を見ているとヴィッツも愛しい人に会いたい感情が湧いてくるような気分だった。
「ここに焚き火の跡があるな。もういい時間だしここにするか」
変わり映えのしない景色だが日だけはどうしても移動して落ちてくるものだ。
そろそろ野宿するための場所を考えなきゃいけないところだった。
ただずっと緩やかに坂になっていてために寝るにはあまりふさわしくなく、どこかいいところでもないかと探していた。
まず目に入ったのは黒く焼けた地面だった。
過去に誰かが焚き火をした跡。
他の人も同じようにそうしてきたのではっきりと跡が残っていた。
そこだけ狭いけど平らになっていて、みんなおそらくこの場所で一夜を過ごしてきたのだろう。
少しばかり早い時間ではあるがこの先に平らな場所があるとは限らない。
無理をして進むよりも確実なところで判断を下すことも旅には必要である。
「山の上だからか少し冷えるね」
昼間は暖かいし動いているのでそれほどでもなかったが
、夜になって気温が下がってきて動かなくなると寒さを感じ始めた。
ラストが膝を寄せて焚き火に手をかざす。
「リューちゃん大丈夫?」
「まだこれぐらいなら平気だよ」
リュードは寒さに弱い。
竜人族全体が寒さに強くない種族なのである。
もちろんそのことも知っているルフォンはピタリとリュードにくっつく。
昔は寒い時にルフォンは良くリュードにくっついていた。
人狼族は体温が高めで寒さに強い。
逆に暑さに弱いのだけど魔人化した姿の影響が普段の姿にも多少表れているのだ。
ルフォンはリュードに近づきたい。
リュードは寒いので温かいルフォンがそばにいるとありがたい。
ウィンウィンなのである。
見ているとまたヴィッツに冷やかされそうなのでラストはリュードたちの方を見ないで焚き火を見つめていた。
「危ない!」
ヴィッツがラストの前に手を伸ばした。
その指の間にはナイフ。
暗くなってきたどこからかラストに向けてナイフが飛んできた。
それをヴィッツがいち早く察してキャッチしていたのだ。
敵襲。
各々が武器を取り、焚き火を背にするように周りを警戒する。
「敵は3人、散らばっております」
血人族も人狼族と同じく闇に強い一族。
リュードは暗くなった周りの様子があまり分かっていないがリュード以外の3人には周りの様子が見えていた。
敵の気配は感じるが黒い格好をしている敵の姿は闇に溶け込んでいてリュードの目には映らない。
「来ます、気をつけてください!」