でも、そんな私を助けてくれた。

 本人には自覚がないと思うけど、私を救ってくれた人がいる。


 一人でいることが寂しくて悲しい。

 そう思い続けて半年経ったある日、君と友達になれて良かったです。

「このキャラの声優って誰?」

「➖だよ! YouTubeとか面白いし。あっ、こっちの声優さんはー」

 英語……じゃなくて、小学校は外国語か。外国語の時間、不意に後ろの席から聞こえてきた声に驚いた。

 その時間は自分の好きなキャラクターや有名人を英語でスピーチする為の原稿づくり。私は声優さんが大好き。でも今まで同じものを好きな人に出会ったことがなかった。

 だけど、今聞こえてきた会話。間違いなく声優さんのお話。しかも➖っていうのは、私の好きな声優さんのあだ名。好きじゃなきゃ知らない呼び方だった。

 初めて出会えた嬉しさに、私は思わず声をかける。

「声優さん、好きなの!?」

 その子は私とは対極のような子。クラスのムードメーカー?のような、明るくてちょっぴり問題児な……『女の子』だった。

 本名を出すわけにはいかないので、ここからはその子の名前を「あお」って呼びます。何となく青色のものを多く持ってるイメージなので。

「え! 海猫ちゃんも好き?」

「うん! 声優さん大好きだよ」
 
「初めて会ったよ、声優好き。じゃあこのキャラの人知ってる?」

 あおちゃんと、この日から沢山話すようになった。

 ひょんなことから始まった会話。

 私はそれに救われた。その日から何故か他の子とも話せるようになって、寂しさは徐々に消えていった。クラス内での友達も増えて、放課後に一緒にゲームをしたりするようになって。

 おかげで私は小学校六年生を楽しく過ごせた。本当に感謝している。

 
 もっと仲良くなって一緒に遊ぶようになったとき。意外だったけど、私はあおちゃんの考え方を知ることになる。

「グループ制を悪く思うわけじゃないけど、あおは入りたくないかな」

「傷ついてほしくないじゃん、誰にも。楽しくやりたいし」

 いつも宿題を出し忘れて、先生に「すみません!」って言いながらも「実はやってきてない」って笑っている子。
 
 「えー、いいじゃーん」って駄々を捏ねてクラスを笑いで溢れさせる子。

 そんなあおちゃんの心は、すごく純粋で綺麗だった。


 誰かを傷つけたくない。傷つけてしまったら、自分を傷つけるくらいまで後悔してしまう。

 誰かに嬉しいことがあると、自分のことのように嬉しいって泣いたり。誰かに悲しいことがあると、話を聞いて慰めてくれたり。

 
 普段少しだらしない部分があるのに、そんな心は誰よりも尊敬できた。