「なぁ、柚燈。」

『んー?』

呑気な声が電話越しに響いた。


「…今日夜空いてる?飯食いに行かね?」


『……。……はぁ、いーよ。』

なにか言いたいことが伝わったのか、しょうがなく渋々と言うように頷いた柚燈。


「じゃ、いつものとこに6時半な。」

気づかないふりをして予定を組ませた。



…絶対逃さねーから。

俺は内心めちゃくちゃ強く思った。