椛side
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「じゃあね、椛。」
「う、うん…。今日はありがとう、全部話してくれて。」
あれから、話は本当に尽きて帰るときになったのだ。
「こっちこそありがと。あ、そーだ。今度連絡するときは電話で頼んでいい?」
と思い出したように言った。
声聞こえたほうが、心理がわかりやすいし。と柚燈は、口角をあげて付け加える。
「う、うん。……。」
……っ、
それは…………、
「…じゃあね、またいつか。」
軽く私からずれた方向に手を降った柚燈。
込み上げる思いが止められなかった。
「……、ねぇ…っ!」
私は思わずその手を掴んだ。
ギュッと。
「…っ、わ。どーしたの?」
私の行動が予想外だったらしく心底驚いているよう。
「……柚燈、またいつでも電話、していい……?」
……次はって、私は勝手にかけてもいいってこと……?
柚燈に会いたいって思っていいってこと……?
「……。……いーよ、いつでも。」
多分ため息が混じってたと思う。
それでもいいって言ってくれた。
「またね!柚燈。」
私は最後は顔を浮かべることができた、と思う。
「うん。………またね。」
やっぱりこの時思ったんだ。
私は…、柚燈から離れることなんてできない。
絶対これは、運命なんだよ………。
そう思っても、結局叶葉さんに言われたとおりにはできなかった。
…迷惑がかかるから、本心なんて言えなかった。
好きだから、一緒にいてなんて…、こと言えないよ……っ。