「ハハッ。……やっぱ分かるんだな。」


「うん。」


「……。」


バレないと思っていたのか諦めたようにカラカラ笑う桜也と顔を曇らせて黙った光杞。




「やっぱ、ユズには勝てねーよ。……昔聞いたことがあったんだ、このレシピ。変に思い出させることして悪かったな。」


視線をそらしてきまりが悪そうに謝ってくる桜也。


言っていないけど、恋人も仲いい人もこの何年も作らない時点で2人にバレているんだろう。



私がいつまでも柚燈のことを引きずっていることを。




「全然?別にだいじょーぶだよ。気にしないで。それにしても、今日の和食おいしいね。」



だから、私はバレていることに気づかないふりをして隠し続けることにする。



私が作った笑顔を貼り付けるとホッとしたようにまた2人は食事を再開させた。