「いや、別にほとんど定番のレシピと一緒だと思うけど味付けにいつもと違う調味料が入ってるだけ。何が入ってるかは企業秘密。」



意地悪げにニヤリと笑って人差し指を口に当てた。



「はぁ〜あ、ほんと桜也には完敗。それ以上美味しい料理なんて作れないや〜。」


しみじみと私の隣で光杞が呟いているが、全く耳に入らなかった。



これは……ずっと食べていないけど……、、






「ねぇ……、なんで桜也が柚燈の味を知っての……?」


「……っ、……。」



これは……、
桜也を超えるほど抜群の料理の腕前を持っていた、七瀬柚燈の味だ。




これは……、昔、高校生の頃柚燈が振る舞ってくれた味に違いない。