『ま、だよなぁ…。』

それは、柚燈も見抜いていたんだろう。 

はぁ…、と画面越しに大きくため息を付く声が聞こえた。



「……。病気の方は大丈夫なのか?」

俺は若干気まずくなって、話を変えた。


…これはずっと気になっていたこと。


『フッ。ご心配なく。良くも悪くもなってないから。……じゃあね、電話ありがとう。

多分ここに柚燈がいたら妖しい笑みを浮かべていたんだろう。

「あぁ、また今度な。」

俺もフッと笑いをこぼして電話を切って、ソファーに倒れ込んだ。


……俺は今までずっと、椛に嘘をついていたことが2つあった。