「桜也は?」

桜也はソファーに座ってなにかしていた。


「まだリビングにいるけど。椛は?」

「……。私も自分の部屋行こっかな。」 

……桜也に本当は、柚燈のこと聞きたいけど、彼は多分話してくれないだろうから。
 


「そ、じゃお休み。……あんま、考え過ぎんなよ。」

最後はなんとか聞こえた言葉で理解できたくらい小さな声だった。


「……うん、ありがと。お休み。」

クールでぶっきらぼうだけど、人の心理は誰よりも理解が早い桜也。

遠回しに気遣ってくれた桜也に感謝しながら自分の部屋に戻った。