明らかに光杞と桜也の表情が変わった。

焦ったような、呆然とするような複雑に絡んだ感情がすべて顔に表れている。
 

「……っえ……?」

その反応に逆に私が驚いてしまう。


でも、それは光杞たちが柚燈のことを知っているという証拠。


「……。ねぇ……、そう、なの……?」

私は恐る恐る問い詰めた。


「……っ。椛…っ!」

「……はぁ。落ち着け、光杞。」


「……っ。う、うん。」

ため息を付いたあと、焦っている光杞を遮るように桜也が話し始めた。


「椛。…柚燈に会ったのか?」

桜也がスラスラ話を始めるから、凍りついた空気をやっと動き出した気がする。

それでも、私たち3人の表情は凍ったままだ。