「もっと聞かせてよ、幼馴染くんの話。小説の参考にしたいわ。」
と言って、パソコンをパタリと閉じて聞く体制を整えながら言ってくる。
まだ、私了承してないのに……。
「……すいません、教える必要あります?」
私もまだ整理ができてなくて、話せない気がする。
「あれ〜?遅れてきたのは、誰だった?」
とぼけたように再度誰だったっけな〜?って首を傾げている。
……ずる賢い人だ。
「はぁ……そうですね。話します。」
「そうこなくっちゃ!」
私の返事を聞いた瞬間、満面の笑みを浮かべた叶葉さんに少し呆れてしまう。
「はい。昔話からするので話し始めると長くなるけどいいですか?」
「全然いいわ〜。」
と軽く返事をして最初に頼んでいたコーヒーを一口すすった。
私もつられるようにコーヒーを一口飲んで、息をついてから言葉を続けた。
「……。じゃあ、話しますよ。」
「…えぇ。」
私は、昔のことを思い出した。