……椛と再会して1番動揺していたのは、
誰でもない俺だ。



隠していつも通りを心がけていたけれど内心本当にバックバクだった。



本当に言葉で表せないほど心が真っ黒で、頭が真っ白だった。




再会した嬉しさと懐かしさ、
そして見えない悲しさとバレてしまったことへの辛さ。



パレットに出ていた絵の具を全て混ぜ合わせたかのように心は黒くなり古いおもちゃのように壊れそうだ。



……でも、一番厄介だった感情は、別れても捨てきれない、椛をもう1度愛して俺のものにしたいって欲。




あーあ…、結局俺は何がしたいのか。





もう1度ため息をついてから方向転換をして、駅に向かった。


やっぱ、俺は変に行動するべきじゃない。




カツコツッ



白杖の音だけが淡々とあたりに響いていた。