「……ねぇ、椛。」
沈黙を破ったのは、柚燈の方。
「…えっ?あ……、何?」
ドキッとして、慌てて返事をした。
……何?…、何を言われる……?
心のなかで身構えたが、放たれた言葉は全く違った。
「……時間大丈夫なの?わざわざこんなとこまで目的もなく来ないでしょ?」
柚燈は、いつまでも冷静で私のことを心配してくれる。
それと同時にハッとする。
やばっ、そうだ!!
ここには、時間つぶしのために来てたんだった。
慌てて時計を見る。
「ごめん、柚燈行かなきゃっ…!」
待ち合わせ時間まであと5分を切っていた。
やばい…っ。まじで、やばい……。