「ねぇ……、会いたいよ…っ、柚燈。」
思わず呟いた。
呟かずには…、いられなかった。
そんなとき……、突然
カツコツカツコツッ
ヒールのような……
何かで地面を叩くような音がした。
誰か来たのかな……?って、そろそろ私も行かなきゃだ。
音にハッとして、駅の方のカフェへ戻ろうとしてふり向いた瞬間、
目に入ったのは、1人の男性。
そんな彼を見て…、私は目を疑った。
自分は夢でも見ているんじゃないかって。
だって……、
だって……、だって……!!
「__っ!!………ど、して……?」
言いたいことはたくさんあるのに、口から出たのは掠れ声。
坂から、雪がひらひら舞ってくるとともに、
柚燈がやってきたから……。
まるで雪の精が雪の世界から、やってきたようだった__