「……大好きだよ、椛。」 耳元で甘く囁かれ高鳴った胸がきゅっと疼く。 「うん…、私も。」 そう言って柚燈を抱きしめ返す手に力を込めた。 ……あぁ、やっと……、やっと元に戻れた……っ そう心のなかで強く思った瞬間、雪が降ってきた。 ハラリハラリと。 今まで柚燈と会ったときに降っていた雪とは違って、全く重さがなく花吹雪のように降ってきた。 それは……、まるで雪の精が私たちを祝福してくれたみたいだった。 そんな雪に感謝しながら、私たちはしばらく抱きしめ合っていた。