ザーッザーッ



「ん?」 



どうやって時間を潰そうか考えていると、ふと濁った大きな音に顔を上げた。




「あ…、海か。」



小さな呟きだったが、空気が澄んでいて周りには誰もいないせいか思ったより声が響いた。





都会にしては人の少ないここ、星瀬浜駅はそのまんま目の前に星瀬浜がある。




星瀬浜は、透き通るような海とガラスのような砂が有名だ。


私は、夜の月明かりに照らされる海の輝きを見るのが好きだけれど。



と、まぁそれは置いといて。





とにかく環境問題で汚くなっている日本の海の中では珍しく、きれいな海で、意外と夏の観光客は多かったりする。



まぁ、冬の今は誰もいないんだろうけど。


 



「いっか。久しぶりに星瀬浜行くか。」




私はもう1度呟いて海へ向かおうと、急な下り坂へ足を進めた。