椛side
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「……ねぇ、椛。椛は、俺がいなくなってから今までで何してた?」

パーク内を歩いて数分。
静かな声で尋ねてくる。


「何って…?」

「……小説書いてる?」
 

……ずっと、あえて言わなかったこと。


「……っ、……書いてないよ。書けなくなったの。」
私は、俯いて目を伏せた。


そう……。

3年前までは、私も小説家というかネットに小説を投稿していたのだ。

投稿していた頃は風乃七瀬というペンネームで、活動していてネット上では結構話題になることもあった。


……でも、そうやって私が小説をかけていたのは……誰でもない1番最初に背中を押して、書き始めたあとも支えてくれた柚燈がいたからだった。

柚燈に連絡が取れなくなって混乱してから、パタリとあれだけ浮かんできた文章も何一つ浮かばなくなった。

手が進まなくなって一文字も書けずに5時間くらい無駄にしてしまうこともあった。


だから………、

やめた。