「お待たせ、桜也!」

「遅っ、寒いし待ちくたびれた。」



「は……っ…?!え…?何で……、」

思わず叫ぶような声を上げてしまう。


……だって…、


そこには……、いるはずのない桜也と柚燈がいたから……。



「は…?どういうこと?その声……、椛でしょ?」

涼やかな柚燈の声が耳を揺らした。

「え、う、うん…。柚燈こそどうしてここに……?」

どうやら、柚燈もなにも知らないらしい。


…何が起こっているの……?


朝から予想外のことばかり起きて頭がおかしくなりそうだ。

分からなすぎて縋るように光杞を見た。