柚燈side
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「さすがに逃げなかったな、柚燈。」

店の前でまっていると、開口一番にそういったのは言うまでもなくハル。


「…だから、逃げるわけないでしょ。逃げてメリットなんてないから。」

と弁明するが、どーだか。なんてバッサリ返されて全く信用されてない事がわかった。


……あーあ。何で、ハルに連絡なんてしたんだろ。
 
こんな、俺をズバズバ見抜くやつと一緒にいるとおかしくなりそうだ。



……あのあとの俺は本当にどうかしていたんだと思う。

なぜか、勝手にハルに助けを求めていた。


……確かに言われた通り、逃げようとしていたのも事実だ。


電話している途中、飯食い行かね?って言われてやっと我に返った。


…そして、言われた通り、後でごめんって送って今すぐ消えようとした。



…けど、さすがにこれだけ言われたのに消えたら、今度会ったときにブチギレだけじゃ済まされないからやめておいた。


偶然、奇跡的な再会がない、なんて言い切れなくなってしまったから。