「―――」

詩に言われて、琴理は小さく唇を噛んだ。

決(けつ)を仰がれる。これからの琴理の立場は、そうなる。

小娘のように、臣下のように、下された判断に従っていればいい時間はもう終わるのだ。

琴理が宮旭日の家で暮らすということは、その準備をしていくということ。

宮旭日の女主人として、琴理は自ら考え、判断し、行動するだけでなく、引っ張っていく立場に立つことになる。

すう……と、息を吸い込んだ。

それから、目を閉じて息を吐く。

ゆっくりと瞼を持ち上げ、口を開く。

「――……まず、心護様にはすべてご報告いたします」