君が描く夏を感じたくてのレビュー一覧
5.0
「生きている」は、人によっては強がりなんだと思います。特に、彼女のようなその言葉の最後が変わる瞬間が近い人は。 でもその強がりは眩しくて、温かい。大切にしたいものが見つかったから。 “私は現実を生きている” この言葉は、読者である私の中ではその瞬間だけです。 だけど彼女が届けたい人に届いたとき、確かに彼女は“生きている”。 私が本を閉じた後でも、いつまでも、生きて。 私にとっては、『「生きている」が生きて“いた”』ですがね。 あの人にとっては、『ここで“生きていた”んだ』かもしれませんよ。
「生きている」は、人によっては強がりなんだと思います。特に、彼女のようなその言葉の最後が変わる瞬間が近い人は。
でもその強がりは眩しくて、温かい。大切にしたいものが見つかったから。
“私は現実を生きている”
この言葉は、読者である私の中ではその瞬間だけです。
だけど彼女が届けたい人に届いたとき、確かに彼女は“生きている”。
私が本を閉じた後でも、いつまでも、生きて。
私にとっては、『「生きている」が生きて“いた”』ですがね。
あの人にとっては、『ここで“生きていた”んだ』かもしれませんよ。
少女の心情が、とても美しい言葉で綴られ、静かな絶望を感じました。
どこか現実味のない、余命宣告。だけど身体の限界で感じる、命のリミット。そんな中で見つけた1冊の小説は、間違いなく彼女にとっての希望。
作者との繋がり、そして作者への憧れ。
それはいつしか恋心と変わる。
恋を知らない少女が恋をする瞬間は、とても美しかったです。
“私は現実を生きている”
空想の世界を知ったからこその言葉だな、と感じました。
彼女の最期の言葉には、心が揺さぶられました。
彼女が、悔いのない人生を送ることができて、本当によかった。
いつか、先生に彼女の想いが伝わりますように。