遂に、数分後に流星群が落ちる。私は恐怖でいっぱいだけれど、今回は星那が隣にいる。一か八か試してみるしかない。

 星那が言っていた作戦は、こうだ。

「流星群が落ちる直前、俺達二人で願おう。今度は“時を戻す”ではなく、“この町を救って”と心の中で願うんだ」

「でも、一度きりだよ? 願いが叶うのは……」

「……それは言い伝えだろ? やってみなきゃ分からない。ね、だからやってみようぜ、星乃」

 星那の意思に押され、私達は一か八か、二人で願うことにした。

「うわあ、すごい」

「私、見るの初めて」

「綺麗……」

 あっという間に、流星群が遠くからこの町の方へ向かってくる。私は緊張で足が震えているけど、星那と一緒ならきっと大丈夫。そんな気がした。

「なあ、なんかこっちに来てない?」

「えっ……」
 
 星那が『今だ!』と言うように、私の手を強く握りしめた。


お星様、どうか、どうか。

私達、この町の人が幸せに暮らせますように。

お願い、願いを叶えて……!