一日中、私はずっと考えていたが、この町の人々を救う方法は思いつかなかった。無能で馬鹿な私を殴りたくなる。

「星乃、大丈夫?」

 ああ、あと数分でこの町が燃え尽きちゃう。もう、私にできることは一つしかない。


“もう一度時を戻すこと”


 それだけ。また過去に戻ることができるのかは分からない。けれど流星群が落ちる直前に願ったら、もしかしたら叶うかもしれない。その可能性を信じるしかない……。

「うわあ、すごい」

「私、見るの初めて」

「綺麗……」

 その時、やはり流星群がこの町の方へ向かって落ちてきた。私は、心の中で願いを唱える。


“お星様、どうかこの町が燃え尽きる前にもう一度だけ戻してください”


 近所の方々は戸惑っているが、隣にいる星那の表情を見ると、悔しそうに唇を噛み、どこか切なげな表情をしていた。私は、その表情が意味することを知りたかった。