=========ステータス=========
名前 平均次
MP 6099/7250
《基礎魔力》
攻(M)60→110
防(F)15→25
知(S)45→66
精(G)10→13
速(神)70→130
技(神)70→106
運 10
《スキル》
【MPシールドLV7】【MP変換LVー】【暗算LV2】【機械操作LV3】【語学力LV2】【大解析LV2】
【斬撃魔攻LV7】【刺突魔攻LV8】【打撃魔攻LV9】【衝撃魔攻LV9】
【韋駄天LV7】【魔力分身LV3】
【回転LV5】【ステップLV5】【溜めLV4】【呼吸LV6】【血流LV6】【健脚LV5】【強腕LV5】【健体LV4】【強幹LV6】【柔軟LV5】
【痛覚耐性LV7】【負荷耐性LV6】【疲労耐性LV6】【精神耐性LV8】
【魔食耐性LV3】new!【強免疫LV3】new!【強排泄LV3】new!【強臓LV3】new!【強血LV3】new!【強骨LV1】new!
《称号》
『魔神の器』『英断者』『最速者』『武芸者』『神知者』『強敵』『破壊神』『グルメモンスター』new!
《装備》
『鬼怒守家の木刀・太刀型』
『鬼怒守家の木刀・脇差型』
《重要アイテム》
『ムカデの脚』
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「おお…よし!想像した以上だっ!」
数が増えたスキルについては前述した通りなので説明を省く。
今肝心なのは、器礎魔力だ。
魔食を由来とした称号とスキルの効果か、想定以上に成長している。それは嬉しいのだが…
餓鬼の肝を魔食して成長するのは『攻』魔力と『防』魔力、運が良くて『速』魔力までだったはず。なのに『知』魔力と『精』魔力、『技』魔力まで上がっている?これ程の結果となるとは思ってなかった。
「ともかく嬉しい誤算だな、これはっ!」
俺はスキルを抱えすぎ、それらを成長させるための負荷に身体が耐えられなくなっていた。
今後もスキルを成長させるためには、器礎魔力の向上が必要不可欠。でも【MP変換】が封印された以上ジョブには就けず、故にレベルアップも出来ず。だから無茶な魔食による器礎魔力の強化を試みた訳だが、これは狙い通り…いや、それ以上の結果。ともかく、
「これで、次の段階にいけるな」
停滞していたスキル育成を再開出来る。テンションが上がった俺はつい、声を上げて喜んでしまった。そんな姿を見て、
「うん、相変わらず独り言激しいしそのどれもが意味不明だけど。良かったね均兄ぃ」
と、また才子に気味悪がられてしまったが、まあいい。今は許す。だって嬉しみでもうテンション爆上がりが止まらん。
「おぅっ!才子がサポートしてくれたおかけだ!有り難うなっ!」
ディスられたのに感謝で返すくらいには爆上がりだ。
「そう?それは良かったよ…あ、だったら私、もう帰っていいかな!?」
「え?」
どうしたんだ急に?まぁ、通常の餓鬼から得られる経験値ではもう上がらないくらいには、才子はレベルアップしている。なので確かに、俺と同行する必要ならもうない。
放置してきた才蔵の事も心配だろうしな。みんなの食事の準備だってあるだろう。
なので鬼怒守邸に帰りたいなら帰ってもいい。でも今の時間はまだ、お昼までかなりある。ここまで急かしてくるのは少し不自然だし、何よりさっきから鼻をつまむ手を頑なに解こうとしないのも気になる──とか思ってたら。
「だって臭いんだもん。均兄ぃが」
言われて気付いた。
「あ…ああ。確かに、そう、かもな。」
自分を見れば着ていた服はパツンパツンなだけでなく、ドロドロのベチャベチャになっていた。
【強排泄】で不純物や老廃物を凝縮して排出したはいいが、下痢によるそれじゃなく発汗作用で一気に…って感じだったからな。そうなるとやっぱり、体臭はとんでもないことになってしまって…
「ホント、すごく臭いんだよっ!?自分じゃ分かんないかもだけど本っっ当に臭いの!」
「あーうん、すまなかった」
俺の爆上がりテンションは瞬時に鎮火。
「臭すぎてもう、頭がずきずきしてるの!それっくらい臭いのっ!」
なんだコイツ、スゲー言うじゃん。
「そ、そうか、それはたいへんだったな」
これ以上刺激しないようにしなきゃな。なるべく穏便に…。じゃないとこれ以上言われたら俺のメンタルが流石にもたん。
「このままだと臭すぎて私死んじゃうかもって私…もう心配で心配でっ!」
いやだからもうやめてくんない!?そんな臭い連呼せんでええやんつか命の危険まで訴えるなや俺の心が死にそうだわ!
「あ、うん、も、わかったから、うん」
いくら長い付き合いといえ、曲がりなりにも女性にこうも熱烈に『臭い』言われたら傷つくぞ普通に。てゆーか俺の心は既にしっかりポっキり、何段折りか分からないぐらいにへし折られてる。なので、
「ほら、かえっていいぞ?」
これ以上は耐えられん。早々にお帰り願おう。
「ホント!?やったあっ!じゃあ帰るねっ!」
そんな弾けるような嬉しさで言うほどか。それ程一緒にいて嫌だったか…いや動揺しちゃダメだ俺。心は折れても負けるもんか。ポーカーフェイスだ。貫け俺ッ!
「じゃ、じゃぁな…おつかれさん…」
よし、この調子で──
「あーもうホント、、っ臭かったっ!!」
ぐうぅっ、負けるな…ッ!
「き、きをつけてなー」
よーしよし、偉いぞっ!
「うん!臭兄ぃもホドホドにねー!」
なぬっ!?
「くさに──ぃ?…て、え?」
ひでぇ。なんだよ臭兄ぃって。
ともかくこうして才子は立ち去った。解体された餓鬼の死骸が散乱する中にポツン、俺を独り残して。
「ぃゃ……………ま まぁいっか、さいこだし。こんなんいつものこと…ぐふぅっ」
orzの姿勢のまま動けなくなった俺の目に何が溜まっていたかは…うん、言うまでもないが一応内緒にしとこうと思…ぐふぅっ!
『【精神耐性LV9】に上昇しました』
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…その後なんとか気を取り直した俺は、何度か試しに戦ってみたのだが。
「うーん、強化しすぎたか…」
思ったようなスキル成長は得られなかった。
どうやら普通の餓鬼を相手とするには、強くなりすぎたようなのだ。
これでは折角負荷を受け止められる身体を得ても、その負荷自体が、発生しない。
こうなるとプランの変更もしょうがない。
まだ準備が整ってないのだが…もう『あの場所』へ向かう事にする。
無駄に時間をかけて前世の悲惨を繰り返す訳にいかないからだ。
「こうなると才子に帰ってもらったのは好都合だったか」
俺のトラウマの一つ。あの…忘れられない記憶を払拭するには、才子がいては邪魔だったしな。
という訳で、不安を多く残しながら俺は行く事にした。
義介さんと造屋兄妹の不幸と悲劇、あれを繰り返させないために。
トラウマの元凶がいる、あの場所へ。