最後まで、俺が幸せにする。

そう宣言した通り、夏休みに入った旭陽は毎日私の家にやってきた。


夏祭りの後、力が抜けたように寝込んでしまい、体力も一気に落ちた私は、もう数日だろうと覚悟を決めていて。


「澪音、何がしたい?やりたいこと全部叶えてやる!」

そういう旭陽に対して、

「旭陽と一緒にいられたらそれだけでいい」

そう微笑む以外、希望は何も出てこなかった。


どうせ、筋力も落ちてしまったこの身体じゃできることも限られてる。

そんなマイナス思考の私を元気づけるように、旭陽は毎日何かを持ってやってくる。


「澪音、よくスノーボール作ってたの覚えてる?」

「あぁ…美味しく出来たらいつも届けてたよね」

「懐かしくて、俺作ってみたんだけど上手く出来なくてさ」


そういった旭陽の手元を見ると、崩れてしまったスノーボールがお皿に乗っていた。


「食べたい」


そう呟くと、旭陽は小さな欠片を手に取り口元に近づけた。

小さく口を開くと、優しく、甘い味が放り込まれる。

一瞬で溶けていくスノーボールは、とても美味しかった。


「美味しいよ?旭陽凄い」

「いやでも澪音のと違うから。」


自分のスノーボールを見つめ、小さく笑いながら食べる彼に、私は口を開く。