「じゃあ、行ってくるね!」


家の前に着いたとのメッセージを受け取り、私は家を飛び出す。

家の塀の前に旭陽はいた。


「旭陽の私服。久しぶりに見た」


思わず呟いてしまう程、新鮮でかっこいい姿。


「そっちこそ。」


旭陽も、どこか恥ずかしそうにこちらを見て呟く。


「…行くか」


ふわふわそわそわした気持ちで歩き出した私達。


私は小さく微笑む。


中学生の初恋を思い出したみたい。

旭陽と手を繋ぎたい。

そんな感情が湧き出して、そわそわしながら隣を歩く。


当時の感覚が鮮明に思い出されて、私はきっと今も、旭陽に恋をしているのだと自覚した。