そんな状態なので、7月に入る頃には学校も休むことが増えてきた。


それでも、出来る限り日常を送りたくて。

思い出した初恋の気持ちに触れていたくて。

できるだけ、学校に行くようにしていた。


「おっはよ〜!」

「澪音ちゃん!いつぶり?長いサボりだったね!?」

「おー!レアキャラじゃん?」


挨拶をする私をクラスメイトは明るく受け入れる。

旭陽の振る舞いのおかげで、私はクラスでも打ち解けられていた。


「澪音。お前、なんか痩せた?」


席に座ると、後ろから旭陽の声。


「ん?まじ!?ダイエット効果かな!?」


旭陽は心配そうな顔のまま「必要ねーだろ」と呟く。


「えー、旭陽、超優しいじゃん!」

「うるせえ」


ダル絡みをすると、そんな優しさは消えてしまうんだけど。

その関係性が楽しくてうれしくて。


私は初恋の心躍る時間を、思う存分に楽しんでいた。