6月末。

余命半年と宣言されてから、5カ月が経過した。


「痛い…、莉音ちゃん、莉音ちゃん…」


同じ部屋にベッドを二つ並べて一緒に寝る莉音ちゃん。

深夜なのにも関わらず、か細い声に反応して起き上がった莉音ちゃんは、私の背中を摩りながら薬を手に取った。


痛くなったらすぐ飲めるように、枕元に置かれている薬。

それを取ることさえままならないほど、痛みは鋭く強いものになっていた。


「ありがと…」


薬が効き始めるまで30分程。


「澪音。大丈夫だからね。すぐ効くから」


耐えられない痛みに唸り続ける私に、莉音ちゃんはずっと寄り添ってくれていた。