「(次はどう攻めようか…)」


お気に入りのいちごみるくをストローで吸い込みながら考える。

そわそわとした新しい教室で、新しいクラスメートも気にせず、私は一人で作戦を立てていた。


「よっし、新学期だぞー!って、おい!なんだその髪!」


若めの担任の先生は、入って来るなり目に入った私の派手髪に勢いよく突っ込んだ。


「……花岡。」

だけど、私と目が合った後、迷ったように視線を泳がせる。

私は、そんな先生を見つめ返し、小さく頷いた。


その表情に、先生は少し目を見開き、気を取り直すように落ち着いてお叱りの言葉を告げる。


「校則違反。放課後生徒指導室な。」

「はーい」


気楽な声で返事をしてから、私はまた対旭陽攻略法について考え始める。


「(放課後はダメになっちゃったし、休み時間か。これ終わったらちょっと話しかけてみよう。)」


先生の注意を特に気にしない様子を、クラスメートが注目して見ていたことも、私は特に気にせず、旭陽攻略に集中していた。