「澪音って、どこの美容院行ってんだっけ」

「え?うちの近くの。昔から変わってないよ」

「まじ?あそこそんな色にしてくれんだ。俺も行こうかな」


普段の声のトーンに落とし会話を続けると、同じ中学だったクラスメートが顔を出した。


「澪音ちゃんと旭陽くんの近所って、あの中学の近くの美容院?」

「あ、そうそう!中学通ってたら絶対通るとこ!」


可笑しそうに笑う澪音に、またクラスメートの視線は集まる。


「だよね!私も行こうと思ってたの、さすがにその色にはできないけど」

「やっぱ派手すぎ?あはは」

「なんだ、澪音ちゃん変わってないね。雰囲気違いすぎて話しかけずらかったの。旭陽くんと一緒にいるのもずーっと見てなかったし、なんか懐かしいね」

「私も気付いてたけど話しかけられなくて。嬉しい」


クラスメートとして3年間過ごしていた澪音は、楽しそうに会話を弾ませ、俺はその会話から静かに外れ、スマホゲームを始めた。