「なんで!?」


ゲームを初めて数分。

私は、旭陽の席に倒れ込み、駄々を捏ねていた。


こんなに負け続けることある!?


信じられないくらい秒殺でやられた数分前。

その現実が信じられず何度も戦いを挑んだものの結果は全て変わらなかった。


「よっわ」


煽るようなその言葉に、私はもう一度スタートボタンを押す。


「もう授業始まるけど」

「授業とか関係ないから」

「お前、本当に悪くなったな」


呆れながらも付き合ってくれる旭陽に、私はスマホを握る手に力を込めた。


「おっ!調子いいんじゃない!?どう!?」

「おー、まあいんじゃね?」


両手で向かう私に対し、旭陽は片手で余裕そう。

沢山のパズルが一斉に消え、ぱあと顔を輝かせて旭陽を見ると、旭陽は少しの指先の動きで、その妨害を消し去った。