「ねえ、旭陽」


横向きに座り、後ろにある旭陽の席に肘をつく私。

旭陽は、こちらには目も向けずスマホゲームを続ける。


「何のゲーム?私もやりたいんだけど」

「FPS。お前ゲームできねーじゃん」


昔、旭陽の家で、よく一緒にゲームをした。

いつも友達とゲームをしている旭陽には敵う訳もなく、いつもぼろくそにやられてたけど。


「上手くなってるかもよ?なんせ私達には3年の空白があるからね!」


つらつらと述べる私に、旭陽はちらりと目を向ける。


「まあ期待はしないけど。何入ってんの?」


旭陽は私のスマホを覗き込み、ホーム画面をスクロールした。


「お、これやろーぜ」


開かれたのは、ふたりで戦えるパズルゲーム。

積み上げられて行くブロックを合わせて消すと、相手に妨害が入るようになっている。


「いいじゃん!」


このパズルゲームは、入院中、時間を持て余した私がやり込んだもの。

良いのを選んでくれたじゃん!とるんるんでゲームをスタートした。