「あーさひ、一緒に帰ろー!」


空っぽに見えるカバンを持ち、席を立った旭陽を呼び止める。

旭陽は、通常運転に私を鋭い目で見つめ、無言で背を向けた。


「(無視したって、方向同じなんだから帰ってやるもんね!)」


私の意思も固く、同じくほぼ空っぽのカバンを肩にかけ追いかけよう席を立った。


「ストップストップー!」

「澪音ちゃん、たまには俺らとも遊ぼうよ」


私の行く手を阻むように立ちふさがったのは、旭陽のお友達の二人。


「あ、私今日は旭陽と…!」


旭陽を追いかけようとするも、二人は私の前から動かない。


「ちょっと旭陽!」


言っている間に廊下に出て、見えなくなってしまった旭陽に私は落胆した。