*
「本当にその髪で行くの?」
ご機嫌で朝の準備をしていた私。
洗面所に現れた寝起きの姉は、これでもかと言うほどの呆れ顔を作り呟いた。
「ええ?なんで?超似合ってるじゃん!」
鏡越しにその顔を確認した私は、髪をコテで巻きながら元気に言い返す。
「まぁ、澪音がいいならいいんだけどさ」
呆れた笑みへと表情を変え、手でひらひらと私に退くよう指示を出して顔を洗う姉の莉音ちゃん。
私は慣れたように少し後ろに下がって、巻き髪を続けた。
髪の準備を終えて、メイクを仕上げようとリビングに戻ると、母と目が合った。
「あーら、巻いたらまた雰囲気かわるね」
興味深そうに巻き髪に触れた母は「えっ、ガチガチすぎない?」と驚いた顔で手を離す。
私はそれにもまた満足気にくるりとターンしてみせた。
その動きに乗るように、ほとんど金髪近くにまで明るくされた私の巻き髪は楽しそうに踊る。
花岡澪音。
今日から高校2年生。
人生初の派手髪に心を躍らせて、新学期を迎えます。
「本当にその髪で行くの?」
ご機嫌で朝の準備をしていた私。
洗面所に現れた寝起きの姉は、これでもかと言うほどの呆れ顔を作り呟いた。
「ええ?なんで?超似合ってるじゃん!」
鏡越しにその顔を確認した私は、髪をコテで巻きながら元気に言い返す。
「まぁ、澪音がいいならいいんだけどさ」
呆れた笑みへと表情を変え、手でひらひらと私に退くよう指示を出して顔を洗う姉の莉音ちゃん。
私は慣れたように少し後ろに下がって、巻き髪を続けた。
髪の準備を終えて、メイクを仕上げようとリビングに戻ると、母と目が合った。
「あーら、巻いたらまた雰囲気かわるね」
興味深そうに巻き髪に触れた母は「えっ、ガチガチすぎない?」と驚いた顔で手を離す。
私はそれにもまた満足気にくるりとターンしてみせた。
その動きに乗るように、ほとんど金髪近くにまで明るくされた私の巻き髪は楽しそうに踊る。
花岡澪音。
今日から高校2年生。
人生初の派手髪に心を躍らせて、新学期を迎えます。