一瞬これは本当に当たりなのか?と目を疑ってしまうがそんな私の考えは一瞬にして覆される。

「…お、おおー!!!お嬢ちゃんすごいな、1等だ!!実はこの絵な、わしが描いたんだ」

へへっと自慢気に笑うおじさんにさっきはひどいことを思ってしまったと申し訳なくなる。

「わー!冷すごいよ!1等だよ?!」となぜか私より喜んでいるチカがいた。

私は嬉しいはずなのに自分の運をここで使い果たしてしまったのでは、と感情がごちゃ混ぜになる。

そんな私のことはお構いなしにおじさんは話を続けた。

「1等は、水族館のペアチケットだよ」とチケットを
二枚渡してくれた。

こんなものだけど良かったら楽しんでおくれ、と優しい笑みで私たちを見送ってくれる。

私は驚きすぎて数分間は放心状態になっていた。
チカが「ちょっと冷ー!」と私の肩を揺さぶるので少しだけ頭がくらくらする。

「このチケットどうしよう、チカ一緒に行く?」
と言うと「いや行かない!」となぜか断られる。

そんなことをはっきり言われると思っていなかったので少しショックをうけてしまう。

けれどチカにそんなつもりはなかったらしく、慌てて「一緒に行きたくないとかそういう訳じゃないからね?!」と返された。

じゃあどういうことなんだと言おうとした瞬間にふと、もしや…と嫌な予感が頭をよぎる。
その次の瞬間に、嫌な予感はまさに的中した。

「冷にはね暖くんと一緒に行ってほしいなって!」
そう言うチカに頭を抱えそうになる。