結局チカは最後までチョコバナナクレープを食べていた。
クレープを食べ終えてから次に目についたのは、数人かが並んで列ができている抽選くじだった。

1等、2等などとそれによって景品が異なるらしい。
私たちは運試しで勝負でもしようと列に並ぶことにした。

私たちの番がそろそろ来るころ、前の人がくじをひいているのでその様子を見ていた。

「あちゃあ!残念、はい景品のポケットティッシュだよ」とおじさんが渡している。

残念ながら前に並んでいた人はハズレだったようだ。
こういうのって当たりが入っている確率はすごく低いのでは、と今更気付くがまぁいいかとくじをひく。

まずはチカの番だ。
「……っいけ!」
自分のことではないのに真剣なチカに私まで緊張してしまう。けれど残念ながらくじにかかれていたのは
"はずれ"の文字だった。

「うわー、やっぱダメかぁ」とチカが項垂れる。

「はい、お嬢ちゃんポケットティッシュだよ」とにこにことしながら渡すおじさんは見た感じ優しそうな人だなと思った。

たまに詐欺と同じように、当たりをそもそもいれないだとか箱に貼り付ける人がいると聞くがそういう雰囲気はなさそうで安心した。

次は私の番だ。
心臓がドキドキとなっている。たかがくじ引きだがいざ引くとなるとやっぱり緊張する。

「冷!がんばれえー!」
勝負をしていたのではなかったのか、とチカの応援を聞いて思ってしまうがそんなことは一旦後回しだ。

「………これ!」

私は自分の運に任せ勢いよくくじをひいた。
思わず目をつむってしまったため私はうっすらと目をあけた。

「…っ!!」

なんとそこには "大当たり〜"という文字とネコ?のような動物がわーいと手をあげている絵がかかれていた。