でも、私が思っていた以上に冷と湊はどんどん仲が深まっていった。

私と話していた時間の方が多かったはずなのに、湊が休み時間に遊びにくると冷は湊と二人で盛り上がっていた。

冷が前々から本が好きなのは知っていた。
でも、湊が本を好きだと知るのは初めてだった。

もしかしたら湊は冷に合わせて本を読むようになったのかもなと想像する。

そんな二人を目の前で見ているのはすごく苦しかった。

このままいけば、結局冷は湊を好きになるのかもと。
私の方が先に好きになって、仲がよかったはずなのに。

「冷ちゃんおもしろすぎー!」
「そんなことないから、湊笑いすぎ」

2人の笑顔が眩しい。どろどろと闇のように暗くなっていく私には、眩しすぎるんだ。

私がどんどん霞んでいく。
暗く深く、落ちていく感覚。
そんな時、佳奈は話しかけてきたんだ。

「チカちゃん!あっちで一緒に話さない?」

佳奈は最初、少し怖いという印象が合っていた。
よく居るクラスのリーダー格のような雰囲気を漂わせていて、休み時間もクラスの女子とわいわいと騒いでいる。

そんな人がなんで私に話しかけてきたのだろうと最初は不信感をもっていた。

でも、意外と話してみるとそんなのは覆された。
話を聞いてみると、私が最近一人でいることが多いから話したいと思っていたのだそうだ。

「チカちゃんすごいかわいいのにさー、何であんな子といるんだろって思ってんだよね」

「それなー!うちらんとこきなよ、その方が絶対チカちゃんに合ってるって」

周りの声を聞いて驚く。

"あんな子"とは冷のことだろうか。
違うと思いたかったけれど、きっとそうだ。
私はほぼ冷と二人で行動しているし冷しかいない。

「で、でも…」冷はいい子だよと言おうとしたその時、言葉が詰まった。